消費財世界大手英ユニリーバの取締役会は12月14日、同社の執行側経営陣が策定した気候転換アクションプランへの賛否を、敢えて2021年5月の株主総会での議案とすると発表した。株主総会にかけるが、決議事項とはせず、勧告的決議事項とし賛同を仰ぐ形。株主からの同意も確保することで、迷いなくアクションプランを遂行していく狙いがある。同様の株主総会議案は大手企業で世界初。
同社のアクションプランでは、自社の二酸化炭素排出量を2030年までに半減、製品のカーボンフットプリントを2030年までに平均50%減、2039年までに原材料調達から販売時点までの二酸化炭素ネット排出量ゼロ(カーボンニュートラル)の3つが大きな柱となっている。
【参考】【国際】ユニリーバ、気候変動・水・リジェネラティブ農業で新目標設定。2039年カーボンニュートラル(2020年6月17日)
同社は、目標を達成するためには、原材料生産の脱炭素化、全ての電力を再生可能エネルギーに転換、エネルギー網の脱炭素化、サプライチェーンでの森林破壊ゼロ、イノベーション等が必要となると考えており、さらにゼロにできない残存排出量に対しては、高品質のカーボンクレジットを購入する必要も出てくる。
これらのアクションに対し、株主からの同意を得たい考え、株主総会は2021年5月5日に開催。2022年には初年度の遂行事項を報告する。重要な変更事項が出てくることを見越し、勧告決議も3年毎に株主総会に諮る。
同社は株主総会までの間も、二酸化炭素ネット排出量ゼロに向けたアクションを加速する。12月23日には、2018年に買収した代替肉ベジタリアン・ブッチャーが、バーガーキングと提携したことを発表。バーガーキングは、中南米と中国でベジタリアン・ブッチャーの代替肉を活用したバーガー(バーガーキングでは「ワッパー」)を2021年第2四半期から販売していくという。その後も販売地域を拡大していく。
ベジタリアン・ブッチャーの代替肉は、すでに、ブラジル、香港、シンガポール、日本でも販売を開始。日本ではEコマース販売のほか、池袋に店舗もオープンさせている。
【参照ページ】Unilever to seek shareholder approval for climate transition action plan
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