東急不動産と鹿島建設は12月23日、東京都港区の「東京ポートシティ竹芝」の開発推進で設立した特別目的会社(SPC)アルベログランデが、三菱UFJ銀行とみずほ銀行の両行から、総額900億円のシンジケーション型のサステナビリティローンをノンリコースで受けることで契約したと発表した。
サステナビリティローンは、まだ国際的な普及している資金調達概念ではないが、今回、国際資本市場協会(ICMA)の「グリーンボンド原則(GBP)」「ソーシャルボンド原則(SBP)」「サステナビリティボンド・ガイドライン(SBL)」と、英ローン・マーケット・アソシエーション(LMA)及びアジア太平洋地域のアジア・パシフィック・ローン・マーケット・アソシエーション(APLMA)の「グリーンローン原則」の4つに準拠することを確認。類似の概念を援用し、新たにサステナビティローンとしての資金調達手法を開発した。セカンドオピニオン提供は日本格付研究所(JCR)。
今回の開発計画は、東京都の「都市再生ステップアップ・プロジェクト」の一つとして行われるもので、国家戦略特別区域計画の特定事業として2015年に首相から認定を受けた案件。竹芝地区に所在する都有地を約70年間の定期借地により借り受け、オフィスタワーとレジデンスタワーから成る総延床面積約20万m2の複合再開発を進めている。2016年には国土交通省からも民間都市再生事業計画としても認定を受け、メザニン支援等の金融支援及び税制支援の対象ともなっている。
(出所)東急不動産
今回JCRは、借入人はSPCであるものの、アセットマネジメント業務を含めた実質的な運営は借入人の出資者でもある東急不動産が主体と判断。これより、調達のフレームワークは、調達者ではなく、東急不動産がグループ会社として属する東急不動産ホールディングスが策定した「サステナビリティファイナンス・フレームワーク」を援用した。JCRは同フレームワークに対し、すでに総合評価で最高位の「SU 1」を付与している。
その上で、グリーン性については、東京ポートシティ竹芝がDBJ Green Building認証の最上位である5つ星を取得していることを以て適格と判断。また、ソーシャル性については、同物件が災害発生時における避難場所となること、子育て支援施設を有していること、会員制シェアオフィス事業「BusinessAirport」がテナントとして入居しスタートアップ支援としても機能すること、整備されている歩行者デッキ「ポートデッキ」がバリアフリー化が実施されていることの4点を以て適格と判断した。
【参照ページ】東京ポートシティ竹芝において「サステナビリティローン」の契約を締結
【参照ページ】株式会社アルベログランデ 長期借入金に対して SU 1 を付与
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