経済産業省の総合資源エネルギー調査会基本政策分科会は12月21日、「2050年には発電電力量の約5~6割を再エネで賄うことを今後議論を深めて行くにあたっての参考値としてはどうか」とし資料を発表した。参考値については「政府目標として定めたものではなく、今後議論を深めて行くための一つの目安・選択肢。今後、複数のシナリオを検討していく上で、まず検討を加えることになるもの」との注釈を付けた。
今回の発表は、同分科会の中で、経済産業省が事務局として「2050年カーボンニュートラルの実現に向けた検討」という資料の中で示したもの。目下、経済産業省は、日本の長期的な電源計画となる第6次エネルギー基本計画の策定に向けた検討を進めている。
同資料は、火力発電と原子力発電の課題をまとめたもので、全部で149ページ。原子力発電について55ページ、水素発電・アンモニア発電に28ページ、炭素回収・利用・貯留(CCUS)に28ページを割いた。一方、再生可能エネルギーをどのように普及させるかについては、今回の資料の中では、「調整力、送電容量、慣性力の確保、自然条件や社会制約への対応、コストを最大限抑制する一方、コスト増への社会的受容性を高める」のように少ししか触れられていない。
(出所)経済産業省資料
(出所)経済産業省資料を基にニューラル作成
今回の提示の参考値の策定では、大手電力業界に近い電力中央研究所、かつて資源エネルギー庁所管だった日本エネルギー経済研究所や地球環境産業技術研究機構(RITE)だけでなく、自然エネルギー財団、国立環境研究所からもヒアリングされた模様。
また同分科会では、次回以降に「産業、民生、運輸部門における、2050年カーボンニュートラルへの課題と対応の方向性」を検討していく予定。
【参照ページ】2050年カーボンニュートラルの実現に向けた検討
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