海運業界向けファイナンスに関する気候変動原則「ポセイドン原則」は12月16日、署名金融機関のアクションをまとめた2020年の年次報告書を発表した。すでに金融機関3社の海運業界向けファイナンスが国際海事機関(IMO)が策定した二酸化炭素排出量削減目標と整合性のある状態をすでに実現していることがわかった。
【参考】【国際】大手銀行11社、海運向けの気候変動ファイナンス「ポセイドン原則」発足。シティ等(2019年6月20日)
ポセイドン原則は、シティグループ、ソシエテ・ジェネラル、クレディ・アグリコルCIB、ING、ABNアムロ、Amsterdam Trade Bank、ノルデア銀行、DNB、ダンスケ銀行、Danish Ship Finance、DVBバンクの11社で2019年に発足。ファイナンス先の海運会社が国際海事機関(IMO)目標に即しているかを定量的に評価することにコミットしている。今日までに署名機関は20社にまで増え、BNPパリバ、クレディ・スイス、Bpifrance Assurance Export、CIC(クレディインダストリエルエコマーシャル)、Eksportkreditt Norge、Sparbanken Vest、SEB、Export Credit Norway、三井住友信託銀行が新たに署名した。署名20社の海運業界向けファイナンス総額は1,500億米ドル(約15兆円)で、世界全体の3分の1を占める。
ポセイドン原則に署名している金融機関は、2021年からポセイドン原則事務局への年次報告が義務付けられているが、今年の時点で15社が自発的に年次報告を実施。行った15社は、シティグループ、ソシエテ・ジェネラル、クレディ・アグリコルCIB、ING、ABNアムロ、Amsterdam Trade Bank、ノルデア銀行、DNB、ダンスケ銀行、Danish Ship Finance、BNPパリバ、Bpifrance Assurance Export、CIC(クレディインダストリエルエコマーシャル)、Eksportkreditt Norge、Sparbanken Vestの15社。
ポセイドン原則が現在遵守基準としているものは、IMOが策定した「GHG戦略」で記されている内容。具体的には、2050年までに二酸化炭素排出量を2008年比で半減、原単位排出量を2030年までに同40%、2050年までに同70%削減。達成状況は毎年報告が義務付けられ、報告した内容はポセイドン原則の年次報告書の中で公表される。
今回の15社の報告では、ING、Bpifrance Assurance Export、Export Credit Norwayの3社が、ファイナンス先の海運企業がすでにIMO目標の削減ペースで推移できていることがわかった。
【参照ページ】15 FINANCIAL INSTITUTIONS DISCLOSE THE CLIMATE ALIGNMENT OF THEIR SHIP FINANCE PORTFOLIOS
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