英外務・英連邦・開発省は12月14日、英国海外領土の法人の実質所有者を開示することを義務付ける法案を発表した。英領バージン諸島やケイマン諸島、英領アンギラ、ジブラルタル等の英国海外領土は、タックスヘイブン政策を採っており、ファンド等の登録国として発展してきたが、近年、タックスヘイブン政策に対する風当たりが強くなっていた。
【参考】【イギリス】英与野党、海外領土のタックスヘイブンに税透明化規制適用で合意(2018年5月10日)
【参考】【EU】EU理事会、ケイマンを租税ブラックリストから除外。英領アンギラとバルバドスを追加(2020年10月20日)
今回発表の法案は、法人登記において、実質所有者の開示を義務化するもの。同様の制度はEUでも導入されており、EU離脱後の英国も同措置を堅持する形となった。特にこれまで英国政府の意向に対し、海外領土政府は反発していたが、近年海外領土も状況を理解するようになってきた。英政府は、同法案についてすでに全ての海外領土政府の支持を得ているとしている。
現在、英国海外領土は、自主的に実質所有者ルールを導入しているところもあり、脱税調査のために英国政府との情報共有も進展している。その上で、同法案は、全海外領土が2023年末までに新ルールを導入するよう要請。また英政府は諸外国に対しても、同様のルールを2023年までに導入するよう国際交渉を通じて働きかけていく。
一方、法的地位が英国海外領土ではなく、英国王室属領のマン島に対しては、今回の法案は適用されないと考えられる。
【参照ページ】British Overseas Territories commit to publishing further information on company ownership in major anti-corruption move
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