米証券取引所ナスダックは12月1日、米証券取引委員会(SEC)に対し、新たに取締役ダイバーシティに関する上場基準ルールを導入する申請書を提出した。承認されるとジェンダーとマイノリティの双方の観点で取締役を1人以上任命することが義務付けられる。
今回の申請内容は、まず、ナスダックの米国証券取引所に上場する全企業に対し、ジェンダーと人種の観点から取締役ダイバーシティに関する一貫性のあるデータ情報開示が義務化される。また、ほぼ全ての上場企業に対し、女性と自己認識する取締役を1人以上、また人種マイノリティもしくはLGBTQ+を自己認識する取締役を1人以上任命することも義務化される。但し、外国企業や小規模の上場企業に対しては、多少のフレキシビリティが容認される。
ナスダックは、今回の決定に関し、取締役ダイバーシティと財務パフォーマンスに関する数十の研究論文を分析。相関関係を認め、取締役ダイバーシティを高める経済合理性を見出した形。
遵守の導入タイミングは、SECの承認から2年以内に基準対象の全上場企業は2年以内にジェンダーもしくは人種の観点での1人以上の取締役の任命を義務化。さらにナスダック・セレクト・マーケットもしくはナスダック・グローバル・マーケット区分の上場企業に対しては、4年以内に合計2人以上の取締役の任命を義務付ける。一方、ナスダック・キャピタル・マーケット区分の上場企業に対しては、5年以内に合計2人以上とすることを義務付ける。これらの義務を遵守できない場合は、相当の理由の公表をすれば上場廃止を回避できる。
同時にナスダックは、上場企業の取締役ダイバーシティ向上を支援するため、候補人材データプラットフォーム「Equilar BoardEdge」を開設。経営人材データベンダーEquilarと協働する。
[2021.8.12追記]
SECは8月6日、申請を承認した。
【参照ページ】Nasdaq to Advance Diversity through New Proposed Listing Requirements
【参照ページ】Self-Regulatory Organizations; The Nasdaq Stock Market LLC; Order Approving Proposed Rule Changes, as Modified by Amendments No. 1, to Adopt Listing Rules Related to Board Diversity and to Offer Certain Listed Companies Access to a Complimentary Board Recruiting Service
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