英財務省のアセット・マネジメント・タスクフォースは11月24日、アセットオーナーと運用会社双方の機関投資家のスチュワードシップに関し、20の勧告をまとめた提言レポートを発表した。同タスクフォースは2019年2月に発足。機関投資家の責務や役割について協議を進めていた。
今回の発表されたレポートは、「パーパスを持った投資」というタイトルが付けられており、機関投資家が目的を持って投資及びスチュワードシップ・アクションを進めることを重視している。同タスクフォースは、リシ・スナック財相が委員長を務め、委員には、政府から金融行為規制機構(FCA)、業界団体からは投資協会(IA)、企業からはブラックロック、バンガード、ステート・ストリート、フィデリティ・インターナショナル、シュローダー、JPモルガン、ジュピター・アセット・マネジメント、スタンダード・ライフ・アバディーン、NEST、NGOからはShareAction等が参加している。
同レポートは、機関投資家のスチュワードシップについて、「スチュワードシップ態度」「顧客と預金者のためのスチュワードシップ」「経済全体へのスチュワードシップ・アプローチ」の3つの柱を設定した。
スチュワードシップ態度では、英国スチュワードシップ・コードへの賛同、社風・ガバナンス・インセンティブ等全体でのアプローチを採用すべきとした。また、債券投資家も積極的に投資先企業にエンゲージメントをすることや、プライベートエクイティや私募債で投資先へのスチュワードシップの発揮の仕方の検討、気候変動等の問題への株主提案の積極化、新型コロナウイルス・パンデミック下での投資先企業への要求事項の明確化、IFRS財団や証券監督者国際機構(IOSCO)が進めるESG情報開示スタンダードの調和・強化への賛同、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)ガイドラインに基づく情報開示の法定義務化等を盛り込んだ。
また、顧客と預金者のスチュワードシップでは、アセットオーナーと運用会社間のスチュワードシップや、年金基金と年金加入者間のスチュワードシップの在り方について言及。経済全体へのスチュワードシップ・アプローチでは、サービス・プロバイダーや、投資コンサルタントのスチュワードシップについても考えを示した。
【参照ページ】INVESTING WITH PURPOSE
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