持続可能な発展を目指すグローバル企業団体WBCSD(持続可能な開発のための世界経済人会議)は11月23日、サーキュラー・エコノミーの展望を分析したレポートを発表した。サーキュラーエコノミーの中でも、バイオ循環の分野に着目し、2030年までに市場規模が7.7兆米ドル(約800兆円)にまで拡大すると見通した。
今回のレポートを作成したのは、WBCSDのプログラム「Factor 10」とイニシアチブ「フォレスト・ソリューション・グループ」の参加企業。具体的には、BASF、DSM、ネステ、ヤラ・インターナショナル、DSM、Aprilグループ、IFF、Arcadis、クラリアントが「Factor 10」から、キャンベル・グループ、フィリップ・モリス・インターナショナル、インターナショナル・ペーパー・カンパニー、ストラエンソ、ハンコック・ナチュラル・リソース・グループ、CMPC、スマーフィット・カッパ・グループ、アディティア・ビルラ・グループ、ニュー・フォレスツ、ナビゲーター・カンパニー、住友林業が「フォレスト・ソリューション・グループ」から参加。他にも、Eni、マヒンドラ、グッドイヤーも参加した。とりまとめは、ボストンコンサルティンググループ(BCG)が行った。
同レポートは、現在の生産活動は、リニアエコノミー型が中心で、サーキュラーエコノミー型は全体の8.6%しかないと指摘。気候変動に対抗するためには、サーキュラーエコノミー化が重要となることを強調した。その上で、バイオエコノミーに注目分野として、医薬品、アパレル繊維、建材、包装・容器、自動車部品、電子部品、機械部品、バイオ燃料、その他の木材製品、食品廃棄物の10分類を提示。2030年時点の市場規模は7.7兆米ドルと算出した。この中に食料と飼料で消費される用途は含まれない。
2030年までの市場成長率は、特に、非食品工業の分野で顕著で、年率3.3%。バイオ素材やバイオ燃料が市場の拡大を牽引する。同レポートでは、ポテンシャルを示すケーススタディも掲載した。
同レポートは、7.7兆ドルの潜在市場を活性化知るためには、産業界の努力だけでなく、規制当局、投資家、消費者の協力も不可欠とし、横断的な協働体制の構築を提唱した。
【参照ページ】The circular bioeconomy is a USD $7.7 trillion opportunity for business and a key element in the fight against climate change, biodiversity loss and resource scarcity.
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