グリーンボンド・ガイドライン策定の国際NGOの気候債券イニシアチブ(CBI)は11月22日、気候債券基準(CBS)認証取得グリーンボンドと同グリーンローンの累計調達額が1,500億米ドル(約1.56兆円)を突破したと発表した。CBS認証は、CBIが定める厳しい気候変動基準との適合性が認められるグリーンボンドとグリーンローンのみに付与される。
CBS認証のグリーンボンドとグリーンローンは、2019年12月に1,000億米ドルを突破し、わずか1年で次の節目だった1,500億米ドルに到達した。アレンジが実現した国は36ヶ国。調達機関は160以上。
2020年は、10月時点で、グリーンローンとグリーンボンドの合計が1,946億米ドルだったのに対し、CBS認証取得は24%に相当する464億米ドル。前年同期比で9%増加した。特に、チリ政府、オランダ政府、中国銀行大手、日本の鉄道・運輸機構(JRTT)等がCBS認証グリーンボンドを大規模に発行したことも全体の流れを牽引した。単独の発行体で最大は、パリ地下鉄当局のグランド・パリ・エクスプレス(SGP)で発行額は106億米ドル(約1.1兆円)。
発行国ランキングは、フランスが282億米ドル、米国219億米ドル、オランダ203億米ドル、中国140億米ドル、オーストラリア112億米ドルの順。中国は、政府当局策定のグリーンボンド基準が「低すぎる」との批判も受けていることから、CBS認証を積極的に取得する動きが出てきている。6位以下は、ドイツ98億米ドル、ノルウェー69億米ドル、チリ62億米ドル、インド53億米ドル、そして日本が49億米ドルで10位。
また、2020年は、新型コロナウイルス・パンデミックの影響を受け、ソーシャルボンドの発行も急増した。2019年のソーシャルボンド発行は、200億米ドル弱だったが、10月時点で71.9億米ドルを突破。通期では100億米ドルに迫る勢い。パンデミックでは、医療や教育での新規投資需要が明確になったことや、中小企業や低所得者が大きな経済的打撃を受けたことで、中小企業向けの救済ローンや、アフォーダブル住宅への投資が増えた。
【参照ページ】New Milestone for Climate Bond Standard: Certifications pass $150bn: Record 24% market share in 2020
【参照ページ】Sustainable Finance Addresses Social Justice As COVID-19 Raises The Stakes
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