国際統合報告評議会(IIRC)とSASBは11月25日、新たに包括的な企業報告フレームワークを策定するため経営統合し、「バリュー・レポーティング財団」を設立する意向を表明した。IIRC、SASB、GRI、CDP、CDSBの5団体は、今年に入り、包括的な企業報告フレームワークを策定に向け協議を進めていたが、IIRCとSASBの2団体はいち早く合併する道を選んだ。
【参考】【国際】GRI、SASB、CDP、IIRC等、非財務情報開示での合同アクション発表。ダイナミック・マテリアリティ提唱(2020年9月16日)
今回両者は、資本市場は、科学的根拠に基づき、長期投資の株主にとって有用で透明性の高いデータを求める機運が高まっていると指摘。そのため、社会や環境の未来の安定性を実現するための企業報告フレームワークが必要になってきていると現状への見方を示した。
GRIは、投資家以外のステークホルダーも重視したサステナビリティ報告の在り方を重視してきたが、IIRCとSASBは、投資家観点という共通の立場にあった。バリュー・レポーティング財団の本部はロンドンとサンフランシスコの2本社体制とし、現スタッフも維持。SASBのジェニン・ギヨCEOが、新財団のCEOに就任し、IIRCのチャールズ・ティリーCEOが、2021年の間、上級顧問となる。またリチャード・セクストンSASB理事とロバート・K・スティール理事長が、新財団の共同理事長に就任する。
両者は今回、経営統合後も既存の国際統合報告フレームワーク<IR>とSASBスタンダードを維持すると言及。双方を維持した上で、統合思考に基づく<IR>の中に、SASBが築いてきた業種毎マテリアリティを融合させていく全体像を描いていくと考えられる。
今回の経営統合構想を受け、GRIは新設される「バリュー・レポーティング財団」と緊密に連携していくと話した。
【参照ページ】IIRC and SASB announce intent to merge in major step towards simplifying the corporate reporting system
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