消費財世界大手英ユニリーバは11月18日、植物由来の代替肉や代替乳製品(代替プロテイン)のグローバル売上を2025年から2027年までに10億ユーロ(約1,250億円)にまで引き上げる戦略「Future Foods(未来食品)」を発表した。消費者の健康改善とフード・サプライチェーンでの環境インパクト削減を同戦略の狙いと定めた。
ユニリーバは2018年、2010年にオランダで創業した代替肉大手ベジタリアンブッチャーを買収。すでに30ヶ国以上で商品を展開し、2019年にはバーガーキングから、欧州、中東、アフリカで販売するベジタリアン・バーガーとベジタリアン・ナゲットにも採用された。今回の戦略でも同社を柱としつつ、ユニリーバの主力調味料商品「Hellmann’s」や主力アイスクリーム「マグナム」「Wall’s」でも代替乳製品を投入していく。アイスクリームでも、近年、同社のビーガン向けアイスクリームは、数々の賞を受賞している。
同社は2019年にも、オランダのヴァーヘニンゲン大学の食品イノベーションセンター「The Hive」に8,500万ユーロ(約110億円)を投資し、植物由来の原材料や代替肉の開発、収量増、持続可能な包装・容器、栄養食品等の研究を進めている。同社によると、世界の代替肉市場は毎年15.8%の勢いで成長し、2027年には354億米ドル(約3.7兆円)の市場規模にまで到達。バークレイズも、植物由来食品市場は2029年までに1,400億米ドルにまで成長すると見立てている。
同社は他にも、2023年までにサプライチェーン上での森林ゼロ、気候・自然ファンドへの10億ユーロの投資、2039年までの二酸化炭素ネット排出量ゼロ、2025年までの全包装・容器の再利用可能、リサイクル可能、もしくは堆肥化可能なものへの100%切替を進めている。
他にも、工場から小売点までの食品廃棄物を2025年までに半減(当初計画から5年前倒し)、栄養素の豊富な食品の販売数を2025年までに2倍に、1日の塩分摂取量を5g以下に抑えることに貢献する食品商品割合を2021年までに85%に、1個当たり糖分含有量を22g以下で250Kcal以下のアイスクリームを2025年までに全体の95%にする目標も掲げている。
【参照ページ】Unilever sets bold new ‘Future Foods’ ambition
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