仏再生プラスチック・ベンチャーCarbiosは11月19日、アパレル廃棄物のポリエステル繊維を、純度の高いテレフタル酸(rPTA)に分解し、再度合成してペットボトル素材のPETを生成することに成功したと発表した。同社が独自に開発した酵素を活用することで、高レベルのケミカルリサイクルが実現した。
これまでアパレルのポリエステル繊維は、マテリアルリサイクル技術を活用し、断熱材、詰め物、絨毯用の低質素材にリサイクルすることしかできなかった。一方、ポリエステル繊維廃棄物は年間で4,200万t発生しており、高レベルのリサイクル技術の誕生が待たれていた。
今回完成させた技術では、アパレル・ポリエステルを構成している比較的小規模の高分子素材を、低分子に分解し、それを繋げて高分子素材のPETを生成することができる。品質は、石油から生成したPETと同等。同様の原理で、ペットボトル廃棄物を分解し、アパレル・ポリエステル素材にリサイクルすることもできる。これにより、非常に広範囲の素材でサーキュラーエコノミー型の資源循環ができる道が開けてきた。
同社は2011年に創業。現在、ユーロネクスト・パリのグロース市場に上場している。今回のリサイクル技術の開発では、仏環境エネルギー管理庁(ADEME)も補助金を提供していた。
【参照ページ】Carbios produces the first transparent bottles from enzymatically recycled textile waste
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