長鋪汽船は11月5日、インド洋の島嶼国モーリシャスの南東沖で商船三井が運航していた長鋪汽船のばら積みタンカー「わかしお」が座礁した事件について、漂着した油の除去作業を2021年1月に、船体の撤去処理作業を2021年春頃に完了する予定と発表した。
わかしおから流出した油は、約1,000tで沿岸約30kmに漂着。サンゴ等にも付着し海洋汚染が進んでいた。長鋪汽船は今回、関係当局、現地住民、油獨清掃業者の尽力により、2021年1月に油の除去を完了できそうとの見通しを示した。
船体処理は、中国の座礁船舶処理Lianyungang Dali Underwater Engineering(連雲港市大力水下工程)が現在、転居に向けた資材・機材の調達を行っており、処理作業を12月下旬に開始。完了は来春とした。
また、汚染からの環境回復プロジェクトでは、東京大学発ベンチャーのイノカが9月30日、商船三井が主導で実施する「自然環境保護・回復プロジェクト」に参画すると発表。研究者と商船三井の科学的な対話のコミュニケーション役をも務めることとなった。イノカは、サンゴ礁をはじめとした水生生態系を、AIやIoT技術を駆使して都市部に人工的に再現する「環境移送技術」の研究開発を行っており、イノカが持つサンゴ礁への知見を活かす。
【参考】【日本】商船三井、モーリシャス座礁事故で10億円の支援表明。十分な金額かは今後協議内容次第(2020年9月12日)
【参照ページ】当社支配船WAKASHIO 座礁および油濁発生の件 第10報
【参照ページ】東大発・環境移送ベンチャー「イノカ」、商船三井と共同でモーリシャスの環境回復・地域貢献へ 〜環境移送技術を活かして企業のCSRとSDGsを推進〜
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