2050年までの運用ポートフォリオのカーボンニュートラル(二酸化炭素ネット排出量ゼロ)にコミットするアセットオーナーのイニシアチブ「Net-Zero Asset Owner Alliance(NZAOA)」は11月6日、石炭火力発電に関する同団体のポジションを明確化した。高効率石炭火力発電の容認を図る日本の経済産業省のエネルギー政策とは真っ向からぶつかることとなった。NZAOAは国連環境計画金融イニシアチブ(UNEP FI)が主導している。
NZAOAに加盟しているアセットオーナーは現在、アリアンツ、仏預金供託金庫(CDC)、ケベック州投資信託銀行(CDPQ)、スイス再保険、Folksam、PensionDanmark、カリフォルニア州職員退職年金基金(CalPERS)、チューリッヒ保険、ストアブランド、Nordea Life and Pension、Alecta、AMF Fastigheter、アクサ、AVIVA、CNP Assurances、仏公的積立年金基金FRR(フランス年金準備基金)、RAFP(フランス公務員退職年金機構)、イングランド銀行投資委員会、ゼネラリ保険、英国国教会、ミュンヘン再保険、SCOR、Cbus Super、Danica Pension、デービッド・ロックフェラー・ファンド、KENFO、MP Pension、PFA、Wespath、国連職員共同年金基金(UNSJPF)、BT企業年金基金の30機関。
今回NZAOAが公表したレポートでは、同団体として、石炭火力発電所の新設を一切認めず、既存の石炭火力発電所に対しても、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)シナリオに基づく1.5℃目標と整合性のある形で炭素回収・貯留(CCS)を搭載しないものは段階的に全廃することを定めた。また、石炭火力発電の新設に対する開発、計画、投融資を禁止することも決めた。NZAOAは、これらの規定を、エンゲージメントを通じて、投資先企業に強く要求していく。NZAOAの運用資産総額は5兆米ドル(約520兆円)。
NZAOAは今回、エンゲージメントを通じても従わない場合は、投資引揚げ(ダイベストメント)も行うと明言。また政府に対しても、今回の内容を各企業に対し促していくための制度設計を求めた。
【参考】【国際】NZAOA加盟アセットオーナー30機関、2025年までの運用ポートフォリオCO2削減目標設定で合意(2020年10月13日)
【参照ページ】U.N.-CONVENED NET-ZERO ASSET OWNER ALLIANCE PUBLISHES THERMAL COAL POSITION
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