英国で休眠預金口座を活用したインパクト投資を実施しているBig Society Capitalは10月28日、英国での社会的インパクト投資の残高が、2011年の8.3億ポンド(約1,100億円)から、2019年には51億ポンド(約6,800億円)へと6倍に伸長したと発表した。英国では、社会的インパクト投資が一つのアセットクラスとして成長してきている。
Big Society Capitalは、社会的インパクト投資の言葉の意味を、財務リターンとともに、特定の測定可能なインパクトを長期的に継続することを意図した上で行う投融資として幅広く定義している。
同機関のデータによると、過去8年間で大きく成長した金融手法は、銀行融資の拡大と、慈善団体の運営に関する不動産への投資。商業銀行融資は、2011年には伝統的な銀行からの融資は1,700万ポンドしかなかったが、2019年には33.9億ポンドへと20倍にも増えた。担保融資全体でも、2011年の6.6億ポンドから、2019年には17.3億ポンドへと伸長した。
不動産投資では、慈善団体が活動資金を捻出ために保有する不動産資産に投資する「ソーシャル・プロパティ・ファンド」のスキームが急成長。2011年には同スキームは存在しなかったが、2019年には21.6億ポンドの投資残高があった。他にはベンチャー投資、担保なしのノンバンク融資、慈善団体が発行する債券への投資への投資も伸びていた。
英国では10月14日、ソーシャル雑誌発行ビッグイシューと運用会社35社が運営するインパクト投資情報サイト「Big Exchange」がローンチ。リテール投資家向けに、インパクト投資ファンド36本の情報が掲載された。
Big Exchangeでは、掲載ファンドを、国連持続可能な開発目標(SDGs)の観点から、ゴールド、シルバー、ブロンズの3段階で格付し表示。リテール投資家に判断材料を提供している。
同サイトの設立に参画した協力企業は、ノルデア・アセット・マネジメント、アバディーン・スタンダード・インベストメンツ、アライアンス・バーンスタイン、ピクテ、UBPインベストメンツ等。
【参照ページ】UK social impact investment market now worth more than £5 billion
【参照ページ】The Big Exchange launches to ‘let people do better with their savings’
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