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【中国】自動車業界団体、2035年にガソリン・ディーゼル車両新車販売全廃をビジョン。政府も後押し

 中国自動車技術者協会(China-SAE)は10月27日、2035年ビジョン「省エネ・新エネルギー車両技術ロードマップ2.0(節能与新能源汽車技術路線図2.0)」を発表した。同ロードマップは、中国国務院工業情報化部の装備工業一司(局に相当)の指導に基づき、同協会が主導して作成したもの。法令ではないが、中国の官民にとっての協働ビジョンを示した形となった。

 同協会は、2015年に初版の「省エネ・新エネルギー車両技術ロードマップ」を発表し、それ以降、毎年進捗状況を報告してきた。今回の第2版では、自動車業界の国際トレンドとして「低炭素化、デジタル化、自動運転」の3つが色濃くなり、技術も大きく進化したことを背景に、中国の自動車産業からの二酸化炭素排出量を、中国政府の政策に先立って2028年にピークアウトさせることを目標として設定。2035年までに、二酸化炭素排出量を2028年から20%以上削減され、電気自動車(EV)や燃料電池自動車(FCV)が主流の車種になっていると見通した。


(出所)中国自動車技術者協会

 今回のロードマップでは、自動車のEV化・FCV化について、2025年、2030年、2035年の時点のビジョンを示した。まず、EVとFCVの新車販売台数に占めるシェアを、2025年に約20%、2030年に約40%、2035年に50%以上にまで引上げ、過半数越えを目指す。特にFCVの累計販売車両台数については、2025年までに10万台、2035年までに100万台という台数ビジョンも設けた。

 また、ガソリン・ディーゼル車両でもハイブリッド(HV)化を進め、ガソリン・ディーゼル車両に占めるハイブリッド車の割合を2025年に50%、2050年に75%、2100年に100%にすることを目指す。ガソリン・ディーゼル車両全体の100km走行当たりの平均燃費も、2025年に5.6l、2030年に4.8l、2035年に4.0lにする。

 加えて今回のロードマップは、自動運転でも新車販売台数シェアのビジョンを示した。2025年までにレベル2とレベル3の自動運転車両を50%に伸ばし、レベル4の販売も開始。2030年には、レベル2とレベル3車両を70%、レベル4車両を20%、2035年には全て自動運転車両が市場を占めている状態を目指す。また通信規格では、5G対応「C-V2X」を全面的に動員する考え。

 ビジョン達成に向けたイノベーションでは今回、技術ロードマップ「1+9」を掲げた。「1」は産業全体を示し、「9」は軽量化、工場のスマート化、ハイブリッド車技術、EV技術、FCV技術、インテリジェントカー技術、バッテリー、電動駆動機構、充電インフラの9つ分野を示している。

 トヨタ自動車は2019年春に、ハイブリッド車の関連特許を無償開放し、トヨタ自動車、デンソー、アイシン精機が共同出資する電動車向け駆動装置開発販売ブルーイーネクサスも10月に広州汽車集団にハイブリッド・システムを供給することで合意。今後5年で10万台から20万台分の規模を供給するとし、中国でのハイブリッド市場の拡大に向けたアクションを開始している。しかし2035年以降に中国市場で主流となるEVについては、中国企業に大きく出遅れている状況。

 またトヨタ自動車は10月14日、日本企業を対象とした「水素バリューチェーン推進協議会」を12月に設立する計画を公表し、岩谷産業、ENEOS、川崎重工業、関西電力、神戸製鋼所、東芝、三井住友フィナンシャルグループ(SMFG)、三井物産が参加を表明。しかし水素技術は、米国、欧州、韓国でも急速に発展しており、現在必ずしも日本がリードしているとは言えない状況になっている。

【参照ページ】节能与新能源汽车技术路线图2.0》正式发布
【参照ページ】《节能与新能源汽车技术路线图2.0》正式发布
【参照ページ】水素社会の実現を推進する新たな団体「水素バリューチェーン推進協議会」の設立に向けて

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