食品世界大手米カーギルは10月22日、ベルギー第3の都市ゲントで、食品廃棄物や残留物を燃料とするバイオディーゼル・プラントを建設すると発表した。10月に着工し、2022年6月の運転開始を目指す。総工費は1.5億米ドル(約160億円)。
同プラントでは、バイオディーゼル・ベンチャーBDI-BioEnergy Internationalの技術を活用し、植物油加工時に出る残留油や工業廃油、下水ヘドロ等の脂分を原料として、バイオディーゼル燃料を生産する。植物生産に適さない土地で栽培された非食用作物からもバイオディーゼル燃料を生産することができる。年間の生産量は11.5万t。
今回カーギルは、EUの第2次再生可能エネルギー指令(RED II)により、バイオ燃料についても、廃棄物を原料とした燃料の需要が増えると判断。7月にエレン・マッカーサー財団にも加盟し、廃棄物を高品質原料に転換する事業を強化する。今回のプラント建設では、直接雇用を20人、間接雇用でも60人の雇用創出効果があると見込む。
カーギルは、新型コロナウイルス・パンデミックでの食糧難に対しても対策を講じている。10月16日には、カナダのフードバンク大手フード・バンクス・カナダに対し、350万米ドルの寄付を行うと発表し、そのうち210万米ドルはパンデミックでの緊急支援が必要な分野に投じると表明した。また、約36.5万tの食品も別途寄付した。同社は、以前からフード・バンクス・カナダとの協力関係を結んでいたが、今回さらにSecond HarvestやBreakfast Clubs Canadaとも関係を構築している。
またカーギルは10月20日には、米皮膚軟化剤大手フローラテックの買収も発表した。皮膚軟化剤は化粧品の一種。フローラテックは、植物由来のバイオ素材を活用した皮膚軟化剤を展開してきた。カーギルは植物由来原料を用いた化粧品を事業ポートフォリオに加え、化学業界の「バイオ転換」を自ら仕掛けにいく。
【参照ページ】Cargill invests to promote circular economy with its first multi waste- and residues-based biodiesel plant
【参照ページ】Cargill, Food Banks Canada respond to increase demand for food relief
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