韓国電力公社(KEPCO)は10月5日、検討していたベトナム・ブンアン2石炭火力発電事業への出資を最終決定した。検討過程では、政府系シンクタンク韓国開発研究院(KDI)による予備妥当性評価で赤字プロジェクトになることが報告され、韓国環境相からも出資すべきではないとの意見が出ていたが、韓国政府とKEPCOは最終的に出資を決めた。
今回の出資は、当初、事業主体のOne Energyに、三菱商事100%保有のDiamond Generating Asiaが40%、中国電力が20%、香港電力大手CLPが40%出資していたが、CLPが石炭火力発電事業からのダイベストメント(投資引揚げ)を決めたことで、同案件からも撤退。それにより、One Energyが、KEPCOに出資を打診したという経緯があった。また、同案件は日本の官民の金融機関が融資を主導している案件で、小泉進次郎・環境相からも批判が出ていた。
【参考】【日本】韓国政府、日本の官民推進のベトナム・ブンアン2石炭火力を採算割れと判断。環境NGO5団体発表(2020年6月18日)
【参考】【日本】小泉環境相、ブンアン2石炭火力事業が首相官邸決定の「石炭火力輸出4要件」に違反と批判(2020年1月27日)
KEPCOの出資額は、総工費2,300億円に対し20億円と少額。しかし、その見返りとし、サムスン物産と斗山重工業が、EPC(設計・調達・建設)事業者として参画することが決まった。これにより、サムスン物産と斗山重工業のための売上を作った形と言える。さらに、韓国輸出入銀行が融資と信用保証を提供し、ハナ銀行も融資団に加わることも決まった。
韓国では、9月末に与党から「石炭火力発電海外投資禁止法」を制定する動きが出ており、将来的には禁止される方向性。そのため環境相は国会の中で、直ちに海外投資を中止すべきと発言していた。
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