2050年までの運用ポートフォリオのカーボンニュートラル(二酸化炭素ネット排出量ゼロ)にコミットするアセットオーナーのイニシアチブ「Net-Zero Asset Owner Alliance(NZAOA)」は10月13日、2025年までの具体的な削減目標を設定することで合意した。二酸化炭素排出量を削減しながら、経済成長を実現するための目標を設定していく。今回目標設定フレームワークの案も公表し、11月13日までパブリックコメントを受け付ける。
NZAOAに加盟しているアセットオーナーは現在、アリアンツ、仏預金供託金庫(CDC)、ケベック州投資信託銀行(CDPQ)、スイス再保険、Folksam、PensionDanmark、カリフォルニア州職員退職年金基金(CalPERS)、チューリッヒ保険、ストアブランド、Nordea Life and Pension、Alecta、AMF Fastigheter、アクサ、AVIVA、CNP Assurances、仏公的積立年金基金FRR(フランス年金準備基金)、RAFP(フランス公務員退職年金機構)、イングランド銀行投資委員会、ゼネラリ保険、英国国教会、ミュンヘン再保険、SCOR、Cbus Super、Danica Pension、デービッド・ロックフェラー・ファンド、KENFO、MP Pension、PFA、Wespath、国連職員共同年金基金(UNSJPF)の29機関(*1)。
今回NZAOAの加盟全機関は、2025年までに、上場株式、社債、上場不動産投資信託(RIET)でのカーボンフットプリントを2019年比16%から29%削減することで合意。対象とする投資先企業の二酸化炭素排出量は、スコープ1とスコープ2は必須、スコープ3は推奨とした。総量ではなく、原単位での目標設定でも可とした。
今回の合意では、他にも、セクター別の目標、エンゲージメントに関する目標も設定することとなった。セクター別目標では、石油ガス、電力、鉄鋼、輸送(航空、海運、トラック輸送)の4部門についての原単位削減目標も設定し、スコープ3も対象に加えることやセクター別KPIを設けることも推奨した。エンゲージメントでは、投資ポートフォリオの排出量上位20社もしくは排出量65%を占める対象企業に対し、個別もしくは集団的エンゲージメント、あるいは委託先運用会社を通じたエンゲージメントを行うとした。
また今回は上場株式、社債、上場不動産投資信託(RIET)の3つのアセットクラスのみを対象とするが、2021年からはインフラ投資と国債・公債も対象に追加。その後は、プライベートエクイティ、私募社債、不動産ローン、カバードボンドも対象に加えていくため、データ環境等の整備等を進めていくことも決めた。
[2020.10.13追記]
10月7日に英BT年金スキームも加盟し、30機関となった。
【参照ページ】NET-ZERO ASSET OWNER ALLIANCE SETS UNPRECEDENTED 5-YEAR PORTFOLIO DECARBONIZATION TARGETS
Sustainable Japanの特長
Sustainable Japanは、サステナビリティ・ESGに関する
様々な情報収集を効率化できる専門メディアです。
- 時価総額上位100社の96%が登録済
- 業界第一人者が編集長
- 7記事/日程度追加、合計11,000以上の記事を読める
- 重要ニュースをウェビナーで分かりやすく解説※1
さらに詳しく ログインする※1:重要ニュース解説ウェビナー「SJダイジェスト」。詳細はこちら