国際環境NGO世界自然保護基金(WWF)は10月6日、同団体が開発・運営している水リスク分析ツール「WWFウォーター・リスク・フィルター」の機能を追加。「Optimistic」「Current Trend」「Pessimistic」の3つのシナリオを用意し、2030年と2050年における各地の水リスク・エクスポージャーをマッピング表示できるようにした。すでにデンマーク飲料大手カールスバーグが同シナリオを用いたシナリオ分析実施第1号企業となった。
WWFウォーター・リスク・フィルターは、ドイツ復興金融公庫(KfW)の投資ファンド運営部門であるドイツ投資開発公社(DEG)が資金支援する形で2012年にリリース。以来、幅広い企業、機関投資家、その他機関等で活用されており、2018年には大幅な機能改修を実施。水リスクの分析が多角的に行えるようになるとともに、RepRiskとも提携し、水紛争に関する情報も表示されるようになった。
今回の改修は、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)のシナリオ分析に基づき実施されたもので、TCFDが求めるシナリオ分析に沿った水リスクのシナリオ分析を可能にした。それによると、世界のGDPに占める水リスクの高い地域の割合は2020年時点で10%だが、2050年には46%にまで上昇する可能性がある分析した。
カールスバーグは、2017年から「WWFウォーター・リスク・フィルター」の活用を開始しており、今回も同シナリオ機能を活用した第1号企業となった。同様に独小売大手EDEKAも、同シナリオ分析をすでに実施している。
【参照ページ】With almost half of global GDP potentially coming from high water risk areas by 2050, the Water Risk Filter Scenarios will help companies and investors turn risk into resilience.
【参照ページ】Upgraded Water Risk Filter can help transform business response to water risk
【ツール】WWF Water Risk Filter
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