IT世界大手米フェイスブックは10月1日、同社アプリのフェイスブック及びインスタグラムへのスクレイピング行為を行ったイスラエルBrandTotalと米Unimaniaの2社を相手取り、同社規約違反を理由に、米裁判所へ提訴した。スクレイピングとは、認可されていない自動データ取得ツールを活用し、ウェブサイトやアプリからデータ抽出を行うこと。同社は、ユーザー保護のため、法的措置を講じる判断を下した。
今回訴えられた2社は、マーケティングツール等のサービスを販売するため、フェイスブック、インスタグラム、ツイッター、リンクトイン、アマゾンからデータを取得。ユーザーデータのスクレイピングについては、各社保護を行っている中、BrandTotalとUnimaniaは、スクレイピング保護を回避できるように設計したブラウザ拡張機能「UpVoice」および「AdsFeed」を活用していた。
同拡張機能をインストールしたユーザーが、フェイスブック等のアプリへアクセスすると、「名前」「ユーザーID」「性別」「生年月日」「交際ステータス」「位置情報」等が自動で抽出され、BrandTotalとUnimaniaの共有サーバーに送信されていた。
フェイスブックは6月にも、スペインのソフトウェア開発MGP25 Cyberint Servicesと、米国在住のMohammad Zaghar氏を、それぞれマドリードとサンフランシスコの裁判所へ提訴。インスタグラム上で偽の「いいね」や、コメントを自動で投稿するソフトウェアや、フェイスブック・ユーザーに対し、ユーザー名とパスワードを要求し、個人情報を盗み取るソフトウェアを問題視した。
【参考】【アメリカ】フェイスブック、悪質な利用規約違反で企業と個人をスペインと米国の裁判所に提訴(2020年6月22日)
また、2019年3月には、クイズアプリとブラウザ拡張機能を活用し、フェイスブックのプロフィール情報と友達リストのデータを取得したウクライナの開発者2名に対し、法的装置を講じている。
同社は、疑わしいアクティビティやスクレイピングの監視・検出のためのツールと技術チームに投資。訴訟はスクレイピング対策の手段の一つに過ぎないとした。今後数か月以内に、スクレイピングの排除に向けた対策を検討予定。
【参照ページ】Taking Legal Action Against Data Scraping
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