国連食糧農業機関(FAO)は9月18日、第75回国連総会の場で、新型コロナウイルス・パンデミック後の「ニューノーマル」の世界において、都市での食料・農業問題を変革していくための新たなイニシアチブ「環境都市イニシアチブ・アクションプラン」を発足した。パンデミックで、都市での食糧リスクが露呈したともに、今後の気候変動緩和のためにも食料システムの大規模な変革が必要となっている。FAOはこれまで農村を主な活動フィールドとしていたが、ついに都市の食糧問題に対しても大きく動き出した。
世界では、2050年までに約70%の人口が都市に住み、特にアジアとアフリカでは今後急速に都市化が進むと予測されている。それに伴い、都市は世界の食料消費量の約70%を消費し、その割合は今も上昇。同時に都市は、世界のエネルギー消費の80%を占め、廃棄物の70%も都市部から出ている。世界の今後の人口増加と都市化により、都市は今後様々な課題を抱えると考えられており、今から対策を始めることが重要となっている。
今回発足のイニシアチブは、2023年までに世界100都市(メガシティ15、中規模都市40、小規模都市45)以上のイニシアチブ参加を目指し、最終的には2030年までに1,000都市の参加を目標として設定した。都市空間での健康・ウェルビーイングを改善するため、都市環境、都市と農村の接続、都市・サービス・市民の新たな危機へのレジリエンスを向上することに焦点を当てる。
今回の発足イベントには、米ニューヨーク、イタリア・ミラノ、ブラジル・サンパウロ、中国・広州、コロンビア・メデリン、モザンビーク・ケリマネ、チュニジア・チュニスの各市町もメッセージを寄せた。
FAOは、同イニシアチブに加え、別途「環境都市ネットワーク」も創設。メガシティから小規模都市まで全ての都市に参加を呼びかけ、知見やベストプラクティスの共有を行っていく。
【参照ページ】FAO launches Green Cities Initiative to help transform agri-food systems, end hunger and improve nutrition
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