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【インド】北部8州、2050年までの再エネ100%転換可能。大学とシンクタンクの共同調査

 フィンランドのラッペーンランタ大学とインドClimate Trendsは9月8日、インド北部での一次エネルギーを全て再生可能エネルギーに転換し、二酸化炭素排出量をゼロにすることが可能とするレポートを発表した。今後大きな人口増と経済成長が予測され、石炭火力発電への依存度の高いインドでも再生可能エネルギー転換への模索が動き出している。

 今回のレポートでは、インド北部の送電網形成州であるデリー首都圏、ハリヤーナー州、ウッタラーカンド州、ヒマーチャル・プラデーシュ州、ウッタル・プラデーシュ州、パンジャーブ州・チャンディーガル連邦直轄領、ラジャスタン州、ジャンムー・カシミール連邦直轄領の8行政地区を分析対象とし、外部地域との広域連携を前提とせず、再生可能エネルギーへの転換プランを検討した。

 現在の同地域の電源構成は、石炭火力63%、ガス火力11%、水力18%、原子力2%、太陽光4%、風力1%、バイオマス・廃棄物火力3%。それ以外にも熱供給、輸送エネルギー、海水淡水化でエネルギーが必要となる。現在の年間一次エネルギー需要は3,000TWhだが、2050年には5,500TWhにまで膨れ上がる。

 再生可能エネルギー・ポテンシャルでは、太陽光発電は同地域の全域に適地が広がっており、風力発電はヒマラヤ山脈に北部に適地が集中している。その結果、太陽光発電の電源構成は、2030年に40%、2050年には95%を占めるにまで拡大できるとの分析結果を示した。一方、風力発電は2030年には4%、2050年に1%と同地域でのポテンシャルは低いと見積もった。また熱エネルギーでは、50%は電化され、残りはバイオエネルギーでの供給が可能とした。電力供給の安定化では、蓄電バッテリーを導入し、2050年までに1,300TWh以上供給するというプランを示した。

 発電コスト(LCOE)は、2020年に1MWh当たり53ユーロから、2030年には58ユーロにまで上がるものの、その後は減少に転じ、2050年には40ユーロと現在の水準よりも低下すると予測した。

 輸送部門では、2040年までは電気自動車(EV)化が進展し、2040年以降は燃料電池自動車(FCV)がさらに台頭するとした。航空部門は、バイオエネルギーへの代替をメインとし、一部は電動航空機も出てくると見通した。

 また雇用影響としては、再生可能エネルギー化を進めることで、2020年から2025年で約300万人の雇用を創出。2050年には500万人の雇用創出効果あると算出した。

【参照ページ】Building blocks of India's energy future: North India's energy transition based on renewables

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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