スペイン電力最大手イベルドローラは9月17日、豪金融大手マッコーリー・グループと提携し、日本の洋上風力発電市場に参入すると発表した。マッコーリー・グループが日本での洋上風力発電及び太陽光発電のプロジェクト開発子会社として運営してきたアカシア・リニューアブルズをイベルドローラが買収し、両社は合弁会社の形で、九州を中心に3.3GWの浮体式と着床式の双方の洋上風力発電プロジェクトを共同開発する。
マッコーリー・グループは、2013年から日本で再生可能エネルギープロジェクトの開発を開始し、すでに洋上風力発電と太陽光発電で3.7GWの電源を持つ。今回、同社グループの戦略的環境投資部門であるグリーン投資グループ(GIG)が日本での開発を担当することとなり、イベルドローラと提携して、日本でのプロジェクト開発を開始する。GIGとイベルドローラは、英国でも714MWのイーストアングリア・ワン洋上風力発電所を合弁で開発している。
洋上風力発電は、日本での事業環境整備が大幅に遅れたため、国内には高い知見のある企業がない。そのため、海外大手が相次いで参入を表明しており、すでにデンマーク大手オーステッドも日本でのプロジェクト開発を行っている。欧米で成功を収めている世界大手は、コストノウハウも高く、今後日本での洋上風力発電の収益性が高まっていくことが期待される一方、劣勢に立たさせる日本勢との提携も進むとみられる。
またGIGは9月1日、韓国でも仏エネルギー大手トタルと折半合弁会社を設立し、浮体式洋上風力発電5ヶ所に建設し、合計で2.3GWの電源を開発することも発表。2023年までに第1期500MWの着工を計画している。韓国にはすでに、ノルウェー大手エクイノールが参入を決めている。
東アジアでは、最初に台湾政府が洋上風力発電政策を展開し、オーステッド等の欧州勢が参入して大きな成功を収めた。その後、日本と韓国も政府が洋上風力発電を推進する姿勢を見せたことで、欧州勢が日本と韓国の市場にも参入。再生可能エネルギーの発電として大きく期待される洋上風力発電は、先行している欧州勢がグローバル市場を席巻しており、脱炭素社会では先に動いたプレーヤーが先行者利益をとることの証明にもなっている。
洋上風力発電開発の動きは、他にも中国、ベトナムでも始まっている。
【参照ページ】マッコーリー、日本市場においてグリーン・ インベストメント・グループ(GIG)による事業を開始、イベルドローラ社と合弁事業を設立
【参照ページ】TOTAL AND MACQUARIE PARTNER TO DEVELOP 2GW FLOATING OFFSHORE WIND PORTFOLIO IN SOUTH KOREA
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