金融業界の気候変動対応を促す国際イニシアチブ2° Investing Initiative(2°ii)は9月15日、銀行向けの気候変動移行リスク評価ツール「PACTA for Banks」ツールキットを公開した。同ツールを活用すると、融資業務を対象とした気候変動シナリオ分析を可能となる。
2°iiは、機関投資家向けに投資ポートフォリオでの気候変動シナリオ分析ツール「Pacta」を先にリリースしており、すでに機関投資家1,500社以上及び金融当局や中央銀行でも活用されている。
今回の銀行融資向けのツールは、投資向けツールの成功を受け、開発された。開発作業には、シティグループ、BNPパリバ、ソシエテ・ジェネラル、バークレイズ、スタンダードチャータード、UBS、クレディ・スイス、ING、ABNアムロ、サンタンデール銀行、ビルバオ・ビスカヤ・アルヘンタリア銀行(BBVA)、ウニクレディト、ノルデア銀行、BPCEグループ、イタウ・ウニバンコ、バンコロンビア、KBCの17銀行が参加し、実証テストも実施された。その後、NGOや大学教授等がレビューし、完成に至った。
【参考】【国際】PRIと2°ii、投資ポートフォリオの気候変動移行リスク評価ツール最新版を発表(2018年9月4日)
同ツールキットは、全て無料で使用可能。ツールキットは、メインとなるソフトウェアとデータセット、さらには方法論等をまとめた附属書と研修用のツールで構成されている。同プロジェクトには、ドイツ連邦環境・自然保護・原子力安全省を中心に、NGO等も資金を拠出した。
今後の展開としては、2°iiは、環境シンクタンクNGOのカーボン・トラッカーとのパートナシップを締結し、今後、石油ガス業界に関する分析手法の改正を実施していく。
さらに2°iiは、パートナー団体とともに、実体経済にインパクトを与えていく手法の開発も進めていく。
【参照ページ】2° Investing Initiative launches PACTA for Banks, a first-of-its-kind climate scenario analysis toolkit
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