重工業世界大手米GEは9月21日、同社の主力事業の一翼を担ってきた石炭火力発電用のガスタービン事業から撤退する意向を表明した。再生可能エネルギー事業へ事業ポートフォリオをシフトする。重工業大手では、すでに独シーメンスが石炭火力発電機市場から撤退する計画を発表。GEもそれに続く形となった。
【参考】【ドイツ】シーメンス、ガス・電力事業を分社化し新規上場する経営計画発表。注力領域シフト(2019年5月12日)
GEの石炭火力発電用ガスタービン事業は、長期間世界のトップシェアを誇ってきた。そのため、契約済案件の遂行義務等も抱えるため、複雑な撤退計画が必要となる。今回の発表では、事業売却、工場閉鎖、雇用インパクト等について、顧客との協議も進めていくことにも言及した。
石炭火力発電機を提供してきたGEのスチーム・パワー事業部は、原子力発電用タービンの開発・生産や、既存の原子力発電及び石炭火力発電機のアフターサービス等を今後も継続する予定。またGEは、風力発電機で世界大手の地位を持つ。
【参考】【国際】IEEFA、米GEの業績急落を分析。エネルギー転換潮流を見誤りガス火力発電に傾斜(2019年6月10日)
日本では、2014年に三菱重工業と日立製作所が火力発電所のインフラ事業を統合し、三菱日立パワーシステムズ(MHPS)が発足。しかしその後、南アフリカでの石炭火力発電用ボイラー建設での損失を巡り両社が対立し、2020年9月1日に日立製作所が所有する全株式を三菱重工業へ譲渡する形で、三菱パワーに社名変更した。これにより、日立製作所も火力発電機から事実上、撤退している。
【参考】【日本】日立と三菱重工、南アの石炭火力ボイラー事業損失で和解成立。日立が3780億円負担。最終的な勝者は(2019年12月25日)
【参照ページ】GE to pursue exit from new build coal power market
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