グローバル大手企業及び機関投資家164社のCEOは9月16日、欧州委員会の「欧州グリーンディール戦略」と2030年までに二酸化炭素排出量を55%以上削減する中期目標を支持する共同声明を発表した。EUとともに二酸化炭素排出量の削減を推進し、気候変動緩和策を全面的にバックアップする。
欧州委員会は同日、2030年までの二酸化炭素排出量削減目標を、現在の法定目標である40%から、55%以上に引き上げる政策を発表し、2020年末までに正式な目標として国連気候変動枠組条約(UNFCCC)事務局に提出するため、欧州議会とEU理事会に対し賛同を求めた。欧州委員会は引き上げの検討過程で50%から55%を目指すとしていたが、最終的に、最も高い目標値を選んだ。さらに欧州委員会は、同目標を2021年6月までにEU法を改正する形で法定目標とし、EUの政策を同目標との整合性のある形にシフトする政策目標も掲げた。
今回の企業と投資家からの声明は、政府に先んじ欧州委員会の目標案を支持する声明が出た形。今後政策議論を開始する欧州議会とEU理事会にとって非常に大きなメッセージとなった。
同声明に参加した企業及び機関投資家は、アップル、グーグル、マイクロソフト、セールスフォース・ドットコム、SAP、インディテックス、ユニリーバ、コカ・コーラ・ヨーロピアン・パートナーズ、ペプシコ、フィルメニッヒ、アルディ・サウス、アストラゼネカ、ボルボ、ミシュラン、DSM、サンゴバン、SSAB、テトラパック、フィリップ・モリス・インターナショナル、IKEA、カールスバーグ、ドイツポストDHLグループ、ボーダフォン、ドイツテレコム、JLL、オーステッド、イベルドローラ、バッテンフォール、エーオン、エンジー、シュナイダーエレクトリック。シーメンス・ガメサ・リニューアルブル・エナジー、ヒルトン、アリアンツ、アムンディ、BNPパリバ・アセット・マネジメント、ドイツ銀行、ストアブランド等。
また同声明には、CDPヨーロッパ、BSR、IIGCC、We Mean Business、The Climate Group(TCG)、CLG Europe等のNGOも署名した。
同声明は、2021年に英グラスゴーで開催される気候変動枠組条約第26回締約国会議(COP)での強い国際的リーダーシップをEUが果たすことを期待するした。また今回の声明は、9月21日から開幕する年次の気候変動イベント「クライメート・ウィーク・ニューヨーク」の場でも、国連の「Race To Zero Campaign」のセッションの中で紹介される。
【参照ページ】Over 170 business and investor CEOs urge the EU to raise EU 2030 GHG emissions targets to at least 55 per cent
【参照ページ】State of the Union: Commission raises climate ambition and proposes 55% cut in emissions by 2030
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