アジアインフラ投資銀行(AIIB)とアムンディは9月9日、「AIIB-アムンディ気候変動投資フレームワーク」を共同発表した。発行体の気候変動リスクと機会を評価する包括的なメソッドを開発した。気候債券イニシアチブ(CBI)も賛同した。
同フレームワークは、パリ協定が狙っている「気候変動緩和」「気候変動適応」「気候変動ファイナンス」の3つの目的に焦点を当て、特に気候変動リスクの考慮が遅れる非上場発行体投資向けに開発された。
気候変動ファイナンスに関するフレームワークでは、すでに複数のものが開発されているが、両者は今回、株式投資で用いられているテーマ投資はセクターバイアスが作用しやすく、低炭素インデックス型の投資は気候変動緩和のみを対象にしているものが多いと課題感を示した。また債券投資では、グリーンボンド等は発行体のバランスシート全体が抱えるリスクや機会の観点が考慮されていないと指摘。パリ協定の目的3つ全てを考慮する新しいフレームワークを今回開発した意義を伝えた。
同フレームワークでは、目的3つを考慮に入れた上で発行体を評価。3つ全てで高得点となるとAリストに、対策が進んでいるがAリストの手前の発行体をBリストと呼称し、AリストとBリスト入りした企業のみでポートフォリオを構成する。またBリスト入りした発行体にAリストに移行できるようエンゲージメントもかける。
中国政府が主導するAIIBは、2019年に気候変動ファイナンスの割合が、承認プロジェクト全体の39%を占め、前年から4ポイント増加した。また同年には5億米ドル規模の「AIIBアジア気候債券ポートフォリオ」を立ち上げており、気候変動ファイナンスを拡大する政策を開始しており、今回開発したフレームワークを適用していく。また他の機関にも活用を推奨していくとみられる。
【参照ページ】AIIB and Amundi Launch Climate Change Investment Framework to Drive Asia’s Green Recovery and Transition
Sustainable Japanの特長
Sustainable Japanは、サステナビリティ・ESGに関する
様々な情報収集を効率化できる専門メディアです。
- 時価総額上位100社の96%が登録済
- 業界第一人者が編集長
- 7記事/日程度追加、合計11,000以上の記事を読める
- 重要ニュースをウェビナーで分かりやすく解説※1
さらに詳しく ログインする※1:重要ニュース解説ウェビナー「SJダイジェスト」。詳細はこちら