製薬世界大手スイスのノバルティスは9月16日、サステナビリティ・リンク・ボンドを18.5億ユーロ(約2,300億円)発行すると発表した。製薬業界でのサステナビリティ・リンク・ボンドの発行は世界初。
サステナビリティ・リンク・ボンドは、サステナビリティに関する重要KPIで目標(サステナビリティ・パフォーマンス・ターゲット:SPT)を事前に設定し、達成状況に応じて発行条件が優遇される制度。優遇される条件は債券利率で設定することが多く、達成すると利率が下がる。
今回のリンク・ボンドでは、医薬品業界での重要指標となっている医薬品アクセスをKPIとした。具体的には、後発発展途上国での革新的な治療へのアクセスを2025年までに3倍にすることと、ハンセン病、マラリア、シャーガス病、鎌状赤血球症に関する治療薬へのアクセスを2025年までに1.5倍にすることをSPTとして設定した。同社の試算では、目標を達成すると、全体2,400万人に新たな医薬品アクセスを提供できることになるという。
同社は、サステナビリティの長期戦略の中で、「倫理基準」「価格とアクセス」「グローバル・ヘルス・チャレンジ」「責任ある市民」の4本柱で目標を設定しており、今回のSPTは、長期戦略との関連性が非常に強い分野で設定された。
【参考】【国際】ノバルティス、ESGアクションを加速。医薬品アクセス、新型コロナ、気候変動等で(2020年9月8日)
今回のリンク・ボンド発行に発行に際しては、サステイナリティクスがセカンドオピニオンを提供。さらに国際医薬品アクセス向上NGOの医薬品アクセス財団(Access to Medicine Foundation)からも、SPTの設定の妥当性に関しお墨付きを得るセカンドオピニオンを得た。
【参照ページ】Novartis reinforces commitment to patient access, pricing a EUR 1.85 billion sustainability-linked bond
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