米大手企業CEOの連合会ビジネス・ラウンドテーブル(BRT)は9月16日、前オバマ政権が掲げた米国の二酸化炭素排出量を2050年までに2005年比で80%削減する目標を支持すると発表した。米国を代表する企業約200社のCEOが集う経営者団体が、米大統領選挙の直前に、トランプ共和党政権の気候変動政策ではなく、民主党の気候変動政策への支持を鮮明した形となった。
ビジネス・ラウンドテーブルは今回、気温上昇を産業革命前から2℃より十分低い水準に抑制することを掲げたパリ協定の目標達成が重要との視点をあらためて強調し、米国及び国際社会は大胆に二酸化炭素排出量を削減しなければならないと表明した。
実現に向けては、科学的根拠に基づく排出削減目標の設定を米連邦政府に要求するとともに、できるかぎり市場メカニズムを用いた削減制度を導入すべきとした。また長期的な政策の予想可能性を上げるため、長期的な目標と政策を示すことも求めた。気候変動適応も実施することも求めた。
市場メカニズム型の制度導入では、カーボンプライシング(炭素価格制度)の導入に賛同。また、規制を忌避し、排出量の多い業種が海外に移転する「カーボン・リーケージ」を避けるための制度も必要とし、EU欧州委員会の政策を手本とすることも示唆した。一方、カーボンプライシングで得た歳入については、悪影響を受ける個人やコミュニティの支援のために歳出し、経済成長や社会的インパクトの削減のために使うべきとした。
また、テクノロジーへの投資、省エネの促進、エネルギーインフラへの投資を拡大することも重要との考えも示した。
ビジネス・ラウンドテーブルは今回、米国が経済規模世界最大、エネルギー消費量世界第2位であることを踏まえ、リーダーシップを発揮し、率先垂範で国際的な二酸化炭素排出量削減を進めるべきとの立場を力強く語った。但し、真にリーダーシップを発揮するためには、2050年より早いタイミングでに二酸化炭素ネット排出量ゼロ(カーボンニュートラル)にする必要があるが、今回はオバマ政権時代の目標を再確認するレベルに留まった。
【参照ページ】ADDRESSING CLIMATE CHANGE
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