エネルギー世界大手英BPは9月15日、2025年までに再生可能エネルギーの新規設備容量を2019年同社比8倍の20GWまで引き上げるための具体的な方向性を発表した。
【参考】【イギリス】BP、2030年までに石油・ガス生産量40%削減。再エネ・水素での事業成長に転換(2020年8月5日)
20GWの開発が進められている再生可能エネルギープロジェクトの電源の内訳は、太陽光発電が83%、風力発電が15%、バイオマス発電が2%。太陽光発電が圧倒的多数を占める。地域別では、米国9GW、欧州7GW、中南米2GW、アジア2GW、アフリカ・中東0.2GW。
一方、BPは、風力発電にも可能性を見出しており、洋上風力発電に強いノルウェーのエクイノールとの戦略的パートナーシップを当局の判断を待って2021年に実施することも表明した。米国東海岸で4.4GWの開発を目指し、世界展開も目指す。
また電力以外でも、バイオエネルギーの生産量を現在の日量22,000バレルから、2025年までに50,000バレル、2030年までに10万バレルを目指すとした。内訳は、バイオ燃料とバイオマス発電が3分の1、バイオガスが3分の1、バイオ油を石油に混入して精製する「Co-processing」が3分の1。
同社のデブ・サンヤール副社長は、再生可能エネルギーの発電コストが大幅に下がっており、さらに今後数十年間で飛躍的に成長するとの見方を話した。また投資リターンも非常に安定していることも魅力として話した。投資リターンについては、アンレバード・リタンが5%から6%とし、さらに事業効率やストラクチャード・ファイナンス等を通じて期待リターンを8%から10%にまで引き上げられるとの見通しを示した。加えて、プロジェクト初期に流動化する「ファーム・ダウン」アプローチを採用することで、10%以上の期待リターンも狙えるとした。
BPは、新たな収益源として、電力卸売市場でのトレーディングも強化しており、取引量を現在の250TWhから、2025年には350TWh、2030年には500TWhにまで拡大する考えも見せた。
【参照ページ】Low carbon electricity and energy
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