コーヒーチェーン世界大手米スターバックスは9月8日、9月からアジア・太平洋地域で代替肉等の植物性由来の食品や飲料をメニューに加えていくと発表した。同社は1月に「リソース・ポジティブ」戦略を発表し、事業運営による環境フットプリントを2030年までにプラスに転ずることを明確にしている。
【参考】【アメリカ】スターバックス、「リソース・ポジティブ」事業運営を宣言。2030年環境目標も3つ設定(2020年1月27日)
食品の分野では、肉や乳製品等の動物性食品は、生産過程で水や土地を大規模に使用するとともに、飼料生産でも農地拡大のために森林伐採を引き起こしていることが多い。さらに家畜からは排泄物やゲップ等からの温室効果ガス排出も気候変動悪化の要因となっており、食品関連のグローバル大手は、植物性由来の食品に対する投資を大規模に拡大してきている。
スターバックスの今回の発表は、台湾、シンガポール、タイ、マレーシア、フィリピン、ニュージーランドの6カ国に言及し、アジア・太平洋地域での植物由来食品の展開を進めるというもの。メニューのラインナップには、米ビヨンドミート、米インポッシブル・フーズ、スウェーデンのオートリー等の代替肉食品大手が提供する商品となる予定。
具体的には、シンガポールではインポッシブル・フーズのバーガーパテが入ったラップサンド、台湾ではビヨンドミートのボロネーゼ・スパゲティ、マレーシアやフィリピンではオートリーによるオート麦ミルクのココア・マッキアートなど、各地の好みや嗜好に基づく商品を展開していく。
同社は、2月からカナダで、4月からは中国でも先んじて植物性食品の展開を開始。特に中国では、代替肉市場が急成長しており、新興企業も大規模な出資を獲得する等、非常に早い業界転換が起こってきている。但し、アジアの食肉市場は膨大なため、市場参入の余地は依然として大きく、今後も新規参入が活発化すると考えられる。
【参考】【中国】代替肉大手ビヨンド・ミート、中国で初工場建設。市場には中国新興企業も続々登場(2020年9月11日)
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