ITサービス世界大手米TikTokは9月8日、EUの「オンライン上の違法ヘイトスピーチに対抗する行動規範(Code of Conduct on countering illegal hate speech online)」に参画すると発表した。TikTokは、中国のByteDance(字節躍動)が株主。米国では事業の強制停止もしくは強制売却が迫られる中、ヘイト対策については当初の予定通り粛々と進めている。
【参考】【国際】TikTok、ヘイトスピーチ対策を強化。投稿削除やアカウント禁止措置を実施する方針
EUは、SNSが人種差別主義的主張を助長しうるとして同行動規範を2016年に導入。参画企業は、フェイスブック、インスタグラム、マイクロソフト、ツイッター、グーグル、YouTube、スナップチャット、Dailymotion等。2019年2月には、欧州委員会がヘイトスピーチ撲滅アクションの第4次評価報告書にて、大きな成果が上がったと報告済み。ベラ・ヨウロバー欧州委員会副委員長も、今回のTikTok参画を歓迎した。
EUの「人種差別および外国人嫌悪に対抗するフレームワーク決議」では、違法ヘイトスピーチを「人種、肌の色、宗教、血統、国籍、エスニシティを基に特定のグループやグループメンバーに対する暴力や憎悪を公の場で扇動する行為」と定義。EUでは、違法ヘイトスピーチへの対応は、EU、加盟国、ソーシャルメディア運営事業者、その他プラットフォーム運営事業者の共同責任と位置づけている。
【参考】【EU】欧州委、ヘイトスピーチ撲滅アクション評価報告書発表。フェイスブック、ツイッター、YouTube等
米政権が命じたTikTokの米国事業売却については、オラクルとの事業提携が内定したと報じられている。しかし米政権の当初の目論見とは異なり、事業売却そのものには応じず、提携という道を模索している模様。背景には中国政府の思惑があると見られている。これに対し米政権がどのように反応するかはまだはっきりしていない。
米政府の行政命令では、TikTokは9月15日に事業停止、9月20日に字節跳動と米国法域の個人・企業との取引が禁止となる。次に、11月15日までに字節跳動はTikTokの米穀事業を売却しなければならない。
【参考】【アメリカ】TikTok、メイヤーCEO辞任。事業売却と事業継続で字節跳動と意見不一致か(2020年8月30日)
【参照ページ】The EU Code of conduct on countering illegal hate speech online
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