IT世界大手米フェイスブックは8月31日、自社SNSのフェイスブックとインスタグラムが2020年の米大統領選に及ぼす影響について調査をするため、大学とのパートナーシップを締結したと発表した。米国人20万人から40万人の規模で、政治・選挙への参加とフェイスブック・インスタグラムユーザーの行動パターンの関連性を調査する。
同社は2018年、民主主義や選挙で果たすべき役割について、独立した立場で調査を行うイニシアチブを発足しており、今回のプロジェクトもその一環。イニシアチブ発足の背景には、2016年の大統領選挙で、ケンブリッジ・アナリティカに個人情報が流出し情報操作に利用された事件という事件があり、SNSの社会的影響を把握しつつ、適切な運営の在り方を模索し続けている。
【参考】【アメリカ】フェイスブック、選挙や民主主義へのインパクトを独立機関が研究 (2018年4月14日)
同プロジェクトを主導する外部調査人は、Social Science Oneの委員長を務めるTalia Stroudテキサス大学教授と、Joshua A. Tuckerニューヨーク大学教授。両氏は他の大学教授15名をプロジェクトメンバーに選任しており、計17人の外部調査実施人と、フェイスブックの社内専門チームが連携して同プロジェクトを遂行する。
フェイスブックは今回、プロジェクトの独立性を確保するめため、外部調査実施人に報酬を支払わず、調査に係る設問事項や研究結果にもフェイスブック側が一切制限を課さないことを明確にした。
また、外部調査実施人は、研究結果をアカデミックジャーナルに寄稿することとしており、研究計画や仮説も事前公開することになっている。そのため、研究過程で意図的な操作や隠蔽が生じることはなく、透明性は高いとした。
さらに、同プロジェクトに使用されるユーザーの個人情報は、ユーザー個人から同意を得た上で調査が行われるため、参加者は情報の使用方法や目的なども事前に必ず把握するフロートする。また研究内容自体も、アメリカの倫理審査委員会から承認を得、倫理的観点から問題のない研究であることも保証した。
同プロジェクトによる調査は、2020年12月まで実施され、その後データを分析。最終的な研究結果は、早ければ2021年夏頃に公開される予定。
【参照ページ】New Facebook and Instagram Research Initiative to Look at US 2020 Presidential Election
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