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【国際】ABインベブ、新型コロナ禍でのアルコールの有害な消費に警鐘。節度ある飲酒求める

 飲料世界大手ベルギーのアンハイザー・ブッシュ・インベブ(ABインベブ)は9月3日、新型コロナウイルス・パンデミックという社会的な苦境の中で、アルコールの有害な使用に注意するよう消費者に呼びかけた。

 アルコールの有害な使用とは、2015年に世界保健機関(WHO)が提唱した概念で、アルコール依存症までには至っていないが、飲酒のために何らかの精神的または身体的障害が存在する疾病状態のことを指す。2016年の統計では、世界で約300万人が「アルコールの有害な使用」で命を落として入り、世界の死因の5.3%を占める。アルコールの有害な使用が疾患や死をもたらす要因には、肝臓疾患、心臓病、がん、結核、暴力沙汰、転倒、自殺まで多様。

 同社は2015年、飲酒に関する社会規範や消費行動の変革に向けた2025年目標「Global Smart Drinking Goals」を設定。その中で、ベルギーのリューベン、南アフリカのヨハネスブルグ、ブラジルのブラジリア、中国の江山市、メキシコのサカテカス、米オハイオ州のコロンバスの6都市で2020年末までにアルコールの有害な消費を10%以上削減する実証実験を実施している。それを踏まえ、2025年までの目標を掲げることとしている。

 例えば、同社ビールブランド「アギラ」では、新型コロナウイルス・パンデミックで消費者が在宅を余儀なくされている中、キャンペーン「#WePlayThisMatchAtHome」を実施。飲酒に関する社会規範や消費行動の変革に向け、プロサッカー選手を広告塔に立て、責任ある消費と行動に関するメッセージを発信している。

 その他にも、今すぐに取り組めることとして、節度ある飲酒の実践や、飲酒時のこまめな水分補給、ノンアルコール飲料の選択等を挙げ、消費者の健康や家族、友人との繋がりの維持を呼びかけた。

 同社は、アルコールの有害な消費には、飲酒する人や社会、同社ビジネスにとって、利点がないと指摘。これまで30年以上、政府、国際機関、業界団体、NGO、教育機関、専門家らと協議を重ねてきた。加えて、地域企業やブランドと協働することの重要性も伝えた。

 同社の2025年目標「Global Smart Drinking Goals」では他に、2025年末までに社会規範を呼びかける広告に100万米ドル(約1.1億円)投じる、2025年末までに自社ビール商品の20%以上をノンアルコール・低アルコールビールにする、2020年末までに自社ビール商品すべてに飲酒と健康に関するガイダンスラベルを付け、2025年末までにアルコールと健康に関するリテラシーの向上に取り組むことを掲げている。

【参照ページ】Reinventing how we drink: our commitment to reducing the harmful use of alcohol
【参照ページ】SMART DRINKING GOALS

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