国会環境NGOレインフォレスト・アクション・ネットワーク(RAN)、TuKインドネシア、プロフンド(Profundo)、レポーターブラジル、アマゾン・ウォッチ、バンクトラックの5団体は9月1日、森林破壊の主要因となっている業種の企業に対する融資・債券引受額を分析したデータ「森林と金融」を発表した。日本のメガバンク3行を含む15行が、世界の約6割のデットファイナンスを担っていることを示した。
今回の発表は、対象地域を東南アジア、ブラジル、中央・西アフリカ(コンゴ盆地含む)とし、森林破壊に関与しやすい紙パルプ 、パーム油、牛肉、大豆、天然ゴム、木材の6品目に直接関連する企業への2013年から2020年4月までの融資・債券引受額を集計した。同データベースでは、以前は東南アジアのみを対象としていたが、ブラジルと中央・西アフリカにも拡大。現在は、69ヶ国2,681銀行がデータベースに載っている。またデータベースには株式投資も対象としているが、今回の発表では融資と債券引受のみとした。
融資・債券引受額ランキングでは多い順に、ブラジル銀行、ブラデスコ、ラボバンク、JPモルガン・チェース、みずほフィナンシャルグループ、BNPパリバ、サンタンデール、イタウ・ウニバンコ、メイバンクの順。三井住友フィナンシャルグループ13位、三菱UFJフィナンシャル・グループも14位に入った。
今回集計のデータは、あくまで森林破壊リスクの高いセクターへの融資・債券額を集計したものであり、必ずしも当該融資案件で森林破壊を引き起こしているかはわからない。RAN等は、今回の結果を基に、上位15銀行は森林破壊に関与している銀行として非難しているが、俯瞰してみると、人間社会の衣食住を支える農林業に積極的に融資してきた銀行とも言える。
メガバンク3行を含む15銀行が、森林破壊に批判しているかは今回のデータからは定かではないが、今後、森林破壊を防止するため、融資先や債券発行体に積極的にエンゲージメントを実施し、場合によっては融資や引受を拒否するセクターポリシーが特に必要な銀行と言うことはできる。
【参照ページ】プレスリリース:『森林と金融』グローバルのデータベース発表〜パリ協定後、森林破壊企業に1,500億ドルの資金が流入〜(2020/9/2)
【データベース】Forests & Finance
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