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【国際】WWF、「生きている地球レポート2020」発表。過去50年で生物多様性が68%減少

 世界自然保護基金(WWF)は9月9日、2年毎に発行している「Living Planet Report:生きている地球レポート」の2020年版を発行。世界の生物多様性が過去50年で68%喪失しており、人間社会の消費行動は地球が生産できる範囲を60%も超過していると警鐘を鳴らした。また今回の報告書では、生物多様性を回復させる科学的根拠に基づく具体的な方策を初めて示した。

 同報告書によると、地域別では中南米で生物の個体数が94%減少しており、また生物種別では淡水生物が84%減少するなど、顕著な影響を受けている。また生物多様性の観点から見ても、生物多様性の残存率を示すBII(生物多様性完全度指数)でも、安全圏の下限となる90%を大きく下回り79%にまで下がった。特にアジア太平洋地域では、BIIが70%を切り、非常に危険な推移となっている。

 人間社会による資源消費と廃棄の観点での状況を指数化した「エコロジカル・フットプリント」では、2020年には地球が1年間に生産できる範囲を60%上回る「地球1.6個分」の世界の状況となることもわかった。それでも2020年は新型コロナウイルス・パンデミックの影響でエコロジカル・フットプリントは約10%減少し、やや事態はましになることもわかった。

 エコロジカル・フットプリントで、最も地球に負担をかけている活動は、食糧生産で全体の29%を占める。他には住宅で25%、サービス業で17%、交通・輸送で15%、物品で14%。そのため食糧生産には現状のままでは持続可能性が保てず、大きな変革が求められることとなる。例えば、農業・水産業は、世界の森林伐採の80%、真水消費量の70%、陸上生物多様性喪失の70%、海洋生物多様性の喪失の50%の責任を持つ。さらに二酸化炭素排出量の29%は農業から出ており、WWFは農業・水産業に対し、変化のリーダーシップを求めた。

【参照ページ】68% Average Decline in Species Population Sizes Since 1970, Says New WWF Report
【参照ページ】過去50年で生物多様性は68%減少 地球の生命の未来を決める2020年からの行動変革

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