海洋プラスチック汚染の原因の一つとなっているマイクロプラスチックが、土壌汚染も引き起こし、陸上の食物連鎖にも影響を与えているとの研究結果が発表された。研究者らは、マイクロプラスチックが陸上生態系に与える影響についても関心を高めるよう警鐘を鳴らしている。
今回の研究を発表したのは、中国・重慶大学の林敦梅教授等。英国王立学会の論文雑誌に「Microplastics negatively affect soil fauna but stimulate microbial activity: insights from a field-based microplastic addition experiment」のタイトルで掲載された。
今回の研究は、実験室レベルで、土壌にマイクロ粒子のポリエチレンを散布し、植物系と動物系の双方への影響を実験した。同様の研究論文は、世界初という。その結果、動物系に対しては微小節足動物と線虫の個体数に有意な影響を与えることがわかった。一方、植物系に対しては、植物微生物に与える影響は軽微だった。しかしながら、動物系の個体数の変化が、植物系の個体数に影響を与えるため、マイクロプラスチックが間接的に植物系にも有意な影響を与えることがわかった。
今回の結果を踏まえ、研究者らは、マイクロプラスチックの陸上生態系への影響についても、注意を払っていくよう呼びかけた。
【参照ページ】Microplastics negatively affect soil fauna but stimulate microbial activity: insights from a field-based microplastic addition experiment
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