【国際】国連、SDGs達成に向け金融デジタル化に期待。報告書発表。悪影響の抑止も重要

　国連事務総長のデジタルファイナンス・タスクフォース（DFTF）は8月26日、国連持続可能な開発目標（SDGs）の達成でデジタルファイナンスが重要な役割を果たすとするレポートを発表した。特に、新型コロナウイルス・パンデミックの影響で、金融のデジタル化の重要性はますます高まっているとの考えを示した。

　同タスクフォースは、国連事務総長が発足し、アヒム・シュタイナー国際開発期間（UNDP）アンバサダーと、マリア・ラモス元ABSAグループCEOが共同議長を務めている。委員には、国連経済社会局、国連児童基金（UNICEF）、世界銀行、世界経済フォーラム（WEF）、ベニン・デジタル経済通信省、サモア中央銀行、ケニア中央銀行、GSMアソシエーション、DBS、EcoCash、アント・グループ、IEX、Autonomous Research、Souqalmalから有識者が参加している。

　同レポートは、SDGsのための金融デジタル化に向けた重要な事業機会として5つを特定した。

• 資金市場の膨大な資金プールをSDGsの達成に向ける
• 公的金融の実効性と説明責任を引き上げる
• デジタル化されている国内預金を長期的な開発金融に回す
• 消費行動がSDGsとどのように関連しているかを知らせていく
• 中小企業向けファイナンスを加速させる

　同レポートは、SDGsに向けた金融デジタル化は、テクノロジーによって自然発生するものではなく、意識的に実現していかなければいけないということを強調。その一環で、金融のデジタル化には、不平等、差別、サービス除外、分断のリスクも潜んでおり、それらに十分な注意を払ってデジタル化していかなければならないことも伝えた。

【参照ページ】Digital finance, a lifeline during COVID-19 crisis, can deliver long-term financing of the Sustainable Development Goals
【参照ページ】PEOPLE’S MONEY