国連環境計画金融イニシアチブ(UNEP FI)は9月4日、EU研究開発機関の欧州イノベーション・技術機構(EIT)官民連携プロジェクト「Climate-KIC」と協働で、金融機関向けにパリ協定と整合性のあるファイナンスを目指すための提言レポートを2つ発表した。
1つ目のレポートは、オックスフォード大学のベン・カルデコット氏が執筆。パリ協定と整合性のあるファイナンスについて、気候変動リスクマネジメントに関する3つの重要な側面を提唱した。具体的には、投融資ポートフォリオのカーボンフットプリントを算出する際に統計的な信頼水準を設定、資本コスト、流動性、リスクマネジメント、持続可能な事業慣行の採択、スピルオーバー効果の5つを踏まえた実経済への影響力行使、忍耐強く一貫性のあるリスクマネジメントによる外部への予見性の提供。これらにより、金融機関は、金融システム全体に大きなインパクトを起こせると推奨した。
2つ目のレポートは、スウェーデン研究所のデニス・パムリン氏が執筆。金融機関が投融資先に対して求めていくべきアクションについて、社会が求める変革のレベルと企業に期待されている役割のレベルの2軸を用いてレベル感を提示。企業に対し、情報開示の透明性やリスク低減を求めるだけでなく、社会変革を促していく存在になるようエンゲージメントをしていくことを提唱した。
今回発表の2本のレポートは「Aligning for the net zero economy」シリーズの一環。同シリーズでは今後も、ネットゼロ経済を実現するためのファイナンスの在り方について研究内容を発表していく。
【参照ページ】ALIGNING FINANCE FOR THE NET-ZERO ECONOMY: THOUGHT LEADERSHIP SERIES
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