自動車世界大手独ダイムラーは9月3日、同社初のグリーンボンドを10億ユーロ(約1,260億円)発行した。年限は10年。金利は0.75%。発行額の4倍となる約40億ユーロが入った。主幹事は、BBVA、BNPパリバ、コメルツ銀行、クレディ・アグリコル、SEB、ウニクレディト。
同グリーンボンドのセカンドオピニオン提供は、CICERO。4段階のグリーンボンド評価で、最高位の「ダーク・グリーン」とした。同社は、生産する自動車単位と企業単位の2つ観点で高い長期目標を設定しており、この点も高く評価された。
まず、生産自動車では、2039年までに乗用車と乗用バンの双方でライフサイクル全体での二酸化炭素ネット排出量をゼロ(カーボンニュートラル)にする目標「アンビション2039」を掲げている。カーボンニュートラルのためには、カーボンオフセットも活用するが、活用するオフセットはCERもしくはゴールドスタンダードを取得した高い基準のものに限定する。加えて、欧州、日本、北米で販売するトラック及びバスの新車も2039年までに二酸化炭素ネット排出量をゼロにする。
この目標を達成するため、2022年までに全ての販売車種で電気自動車タイプを投入し、2025年までに新車販売の25%以上を電気自動車に、2030年までに同50%以上にする中間目標も掲げた。この目標については、科学的根拠に基づく排出削減目標イニシアチブ(SBTi)からも承認を得ている。
自社事業では、欧州の生産ラインでは、二酸化炭素排出量を2020年までに1990年比原単位で66%減、総量で20%減。メルセデス・ベンツ部門でも2030年までに2018年比で総量を半減の目標を設定している。欧州での新設工場はすでにすべて二酸化炭素ネット排出量ゼロを実現しており、2022年からは世界中の工場で二酸化炭素ネット排出量ゼロを実現できる見通しとなっている。
今回発行のグリーンボンドの資金使途は、50%以上が「クリーン輸送」カテゴリーで、電気自動車(EV)や燃料電池自動車(FCV)及び関連のドライブトレインの開発及び生産、バッテリーや燃料電池の生産及びリサイクルに投ずる。また一部は内燃機関自動車の生産ラインの省エネにも用いる。他には、廃棄物の再利用及びリサイクル、汚染削減、再生可能エネルギーの開発にも用いる。
また同社は9月4日、インドとコンゴ民主共和国での児童労働撲滅プロジェクトを開始したことも発表している。インドでは、責任ある雲母イニシアチブにも加盟し、児童労働撲滅でNGOのTerre des Hommesとの提携を発表。コンゴ民主共和国では、Good Shepherd International Foundationと協働し、生活賃金の改善プロジェクトを開始した。
【参照ページ】Daimler issues first green bond with a volume of €1 billion
【参照ページ】Daimler is committed to combating child labor: education projects in India and the Congo – joining another initiative
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