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【ノルウェー】GPFG、人権侵害理由でアジア企業3社を投資除外。規範投資のリターン影響も公表

 ノルウェー公的年金基金GPFGの運用を担うノルウェー銀行投資マネジメント部門(NBIM)は8月31日、深刻な人権侵害を理由に、台湾企業2社、インド企業1社を投資除外指定(ダイベストメント)したと発表した。NBIMは、自主ガイドラインを設定し、深刻な人権侵害が発覚した企業は、解消するまで投資除外することを決めている。

 除外されたのは、台湾証券取引所に上場している台湾化学繊維(Formosa Chemicals & Fibre)と福懋興業(Formosa Taffeta)、インド国立証券取引所に上場しているペイジ・インダストリーズの3社。

 またNBIM理事会は、腐敗行為を理由に、中国石油天然気(ペトロチャイナ)に対し、自主ガイドラインに基づき3年間エンゲージメントしていくことを決定した。ペトロチャイナに対しては、NBIM倫理委員会が2016年にペトロチャイナの投資除外を勧告。それを受け同理事会は2017年から注視リストに入れ、観察を強化していた。しかし改善がみられず、今回、最善の策を検討したところ、次に3年間エンゲージメントしていくべきと判断した。

 GPFGは、ノルウェー政府の法令もあり、2001年に国際規範に基づく投資除外設定及びネガティブ・スクリーニング型のESG投資の手法を制定。2019年末で、134社が除外されている。除外の影響は、同年金基金のファンド全体の2.4%となる2,430億米ドル(約2.9兆円)となる。

 NBIMは8月28日、規範軸のネガティブ・スクリーニングが与えた投資パフォーマンス影響を測定した結果を発表した。結果、市場平均型の株式インデックスと比べ、年間で0.04%アンダーパフォームしていたことがわかった。またスクリーニングにかかる追加の運用コストは2019年で0.05%未満だった。NBIMは、アンダーパフォームをしていたものの、規範を強化していく上では許容範囲と明言。多少のリターン減少でも、ノルウェー政府とGPFGが定めた規範強調のスタイルはフィデューシャリーデューティーの観点からも正当化されるとの考えを表明した。

【参照ページ】Decisions on exclusions and active ownership
【参照ページ】20 years with responsible investment

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