水供給不安と需要増により、世界的に盗水行為が増加していることに警鐘を鳴らす論文が発表された。現在の世界の農業用水のうち最大で50%で盗水が行われているという。同論文では、水インフラ事業者向けに盗水防止チェックのフレームワークも提示した。
今回発表された論文は、オーストラリアのアデレード大学のロッホ氏率いる研究チームが学術誌「Nature Sustainability」に発表した。同論文では、オーストラリア、米国、スペインの3ヶ国で調査を実施し、開発したフレームワークの有効性を検証した。
ロッホ氏によると、盗水の研究は世界的に遅れており、問題認識が高まっていないが、実際には先進国でも農業分野では多発してきていると指摘。国際刑事警察機構(Interpol)の調査では、世界の30%から50%の水供給は、盗水によるものだという。背景には、水需要が高まる一方、気候変動等で水の希少性が増しているという事情があるという。
ロッホ氏は、盗水行為に対する罰則が小さすぎるため、盗水を抑制する効果が機能していないと問題を指摘。罰則強化とともに、そもそもの原因である節水技術への投資の必要性を唱えた。
【参照ページ】Grand theft water and the calculus of compliance
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