製薬世界大手スイスのノバルティスは8月26日、同社の気候変動への対応について纏めた動画を公開。気候変動に伴うマラリアの拡大や、喘息、肺炎等の呼吸器系疾患の増加を懸念し、製薬サプライチェーン上で環境サステナビリティ分野でのリーダーとなるべく、取り組みを推進する。
同社は、2025年までに自社事業活動(スコープ1とスコープ2)での二酸化炭素ネット排出量ゼロ(カーボンニュートラル)の実現や、2030年までにサプライチェーン全体(スコープ3)での二酸化炭素ネット排出量の2016年比半減、2030年までに水とプラスチックのネット消費量ゼロを目標として標榜。さらに、科学的根拠に基づく削減目標イニシアチブ(SBTi)からの承認のもと、バリューチェン全体での二酸化炭素絶対排出量35%削減を設定している。
プロジェクト投資の際には、内部炭素価格を1t当たり100米ドルと設定し、環境インパクトを測定。最も環境負荷が小さく、効果的なプロジェクトを選定できるようにしたという。
2017年には、米国およびカナダ事業の電力消費に伴う二酸化炭素排出量を削減するため、再生可能エネルギーへの転換に投資。テキサス州の風力発電事業者とバーチャル電力購入契約(vPPA)を締結した。2019年には、米国・カナダ事業の電力需要に相当する年間二酸化炭素排出量22万t削減を実現。欧州でも同様の戦略の展開を進めている。
また同社は、グローバルでのカーボンフットプリントのオフセットのため、2,000万本規模の森林保護プログラムを過去15年間にわたり実施。二酸化炭素排出量53万t削減に寄与したと分析した。同削減量は、同社10年間の二酸化炭素排出量の6%に相当するという。また、同プログラムでは今後30年間、二酸化炭素排出量450万tの削減が期待され、事業活動からの排出量削減と並行し、推進される。
【参照ページ】50 Climate Leaders
【参照ページ】Leading the Way and Partnering for Change
【参照ページ】Climate
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