世界保健機関(WHO)は8月25日、アフリカ大陸でのポリオ根絶を宣言した。アフリカの最後のポリオ発症は2016年のナイジェリア。それ以降、4年間ポリオは発症せず、今回の根絶宣言に至った。アフリカ大陸での感染症根絶は、1980年の天然痘に続き、2つ目となった。
アフリカでは、各国首脳が1996年にアフリカ連合の会合の場でポリオ根絶を目指すと表明。当時はポリオ患者が約75,000人いたが、そこから24年間を経て、ついに根絶にまで漕ぎ着けた。WHOは、毎年の予算の中で、ポリオ根絶に特別枠を設け、積極的に各国での対策を推進してきた。試算では、麻痺を発症する児童を最大180万人、感染死亡者を18万人削減することに成功したという。
ポリオ根絶では、国連児童基金(UNICEF)、世界ポリオ根絶イニシアティブ(GPEI)、ロータリー・インターナショナル、米疾病管理予防センター(CDC)、ビル&メリンダ・ゲイツ財団、GAVI等の機関も積極的に協働してきた。
ポリオ対策ではワクチン接種が基本的な対策となるが、ナイジェリアではイスラム過激派の勢力拡大でワクチン接種が遅れていた。これで残るはアフガニスタンとパキスタンの2カ国となった。
一方、ポリオワクチンが下水等で循環しポリオウイルスのような毒性を持つワクチン由来ポリオウイルス2型(cVDPV2)については、依然として16ヶ国で確認されており、引き続き対策が必要となっている。
【参照ページ】Africa eradicates wild poliovirus
【参照ページ】PRESS RELEASE - WHO and UNICEF congratulate Nigeria on ending wild poliovirus; call for strengthening of routine immunisation
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