国際環境NGOグリーンピース・ジャパンとグリーンピース・アフリカは8月14日、インド洋の島嶼国モーリシャスの南東沖で商船三井が運航していた長鋪汽船のばら積みタンカー「わかしお」が座礁した事件で、両社に対し被害に対する十分な補償や調査、化石燃料からの撤退を求める公開状を送付した。
【参考】【モーリシャス】商船三井の運航船、ラムサール条約保護湿地地域で座礁。同国史上最大の海洋汚染と警鐘(2020年8月8日)
同書簡は、具体的に4つの事項を要求した。まず、汚染者負担原則の完全履行。両社に損害を補償する責任があるとし、全ての被害を明らかにし、日本船主責任相互保険組合や、その他保険会社の保障外の損害に対しても費用を支払う責務と強調した。地域住民との話し合いにも臨むべきとした。
2つ目は、両社が負担した事故原因と影響に関する独立調査の完全公開。国際タンカー船主汚染防止連盟は両社とのつながりがあるため適切ではないとした上で、同連盟の調査は完全に独立した調査によって補完され、その調査手法と結果を公開すべきとした。
3つ目は、事故発生航路の使用中止。モーリシャス政府に対し、モーリシャス海域の「無害通航」を停止するよう求めた。また、その前に両社に対し、自主的に気候変動の影響と汚染被害の観点から、同航路の使用停止を約束するよう要求した。
4つ目は、化石燃料からの撤退。両社に対し、可能な限り早急に石油・天然ガスの利用から撤退する方針を宣言するよう求めた。両社に対し、船舶燃料の再生エネルギー化も要求した。また、石油と天然ガス、石炭の輸送を停止し、商船三井は液化天然ガスを含めた石油とガスの製造業務からも撤退すべきとした。
【参照ページ】モーリシャス座礁事故、商船三井と長鋪汽船に公開状を送付ーー事故の補償と化石燃料からの撤退を要求
【画像】IMO
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