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【国際】バンクトラック、エクエーター原則の履行状況調査。多くの案件で不履行確認。MUFGも

 国際環境NGOバンクトラックは8月11日、融資での環境・社会デューデリジェンスを自主コミットする「エクエーター原則(赤道原則)」に署名している銀行の実態調査分析結果を発表。調査した37プロジェクトのうち24のプロジェクトで、エクエーター原則が義務付けているステークホルダー・エンゲージメント・プロセスやプロジェクト単位での苦情処理メカニズムが設けられていないことがわかったと批判した。

 エクエーター原則は、当初はプロジェクトファイナンスだけを対象とした原則だったが、2019年11月に採択した第4版からは、プロジェクト関連のコーポレートローンにも対象を拡大している。

【参考】【国際】エクエーター原則、第4版が採択。先住民族の権利、気候変動等を強化。NGOは不十分と批判(2019年11月27日)

 調査した37件のプロジェクトの内訳は、発電関連(ガス火力と水力が中心)が15件、石油・ガス採掘関連が15件、金・銅採掘関連が7件。エクエーター原則に関する違反リスクが高く、大規模な案件を中心に対象に選んだ。

 そのうち、ステークホルダー・エンゲージメント・プロセスを定めていた案件が49%で18件、プロジェクト単位の苦情処理メカニズムを設けていた案件が46%で17件だった。またエクエーター原則では要求されていないものの、苦情処理件数の種類、件数、結果を公表していた案件が19%で7件あった。

 37件のうち、三菱UFJフィナンシャル・グループの案件が2件あったが、双方とも苦情処理メカニズムが設けられておらず、1件ではステークホルダー・エンゲージメント・プロセスも定められていなかった。

 今回の調査は、公開情報を基に実施したため、企業内部ではステークホルダー・エンゲージメント・プロセスや苦情処理メカニズムを設けていた可能性もある。但し、バンクトラックは、透明性の確保も重要だと位置づけている。

 またバンクトラックは8月12日、欧州銀行を対象に、南米アマゾンの源流地域「アマゾン・セイクリッド・ヘッドウォーターズ」での石油開発への関与調査を実施。2009年から2020年までの融資総額で多い順に、INGベルギー、クレディ・スイス、ナティクシス、BNPパリバ、UBS、ラボバンクで、当該6社で全体の85%を占めていたことがわかった。バンクトラックは気候変動の観点からも批判をしたが、調査期間が2009年からと長期に渡るため、現状のアクションを正しく反映していない可能性がある。

【参照ページ】Equator Principles requirements missing for most projects, finds new BankTrack study

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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