独化学大手バイエルの投資子会社Leaps by Bayerとシンガポール政府系投資会社テマセク・ホールディングスは8月12日、垂直農業でのイノベーションを実現するための新たな共同出資の投資会社Unfoldを設立したと発表した。垂直農業の質、効率、サステナビリティを高め、数多くの野菜を垂直農業で生産する道を模索する。
Unfoldは、3,000万米ドル(約32億円)の出資金で米国会社として設立。シンガポールとカリフォルニア州にR&Dセンターを置く。バイエルから遺伝資源と呼ばれる種子遺伝情報に関する権利の使用権も得る。垂直農業に関する投資では従来、既存の垂直農業の効率改善のためのインフラ開発に投じられることが多いが、Unfoldでは、垂直農業で生産できる種を品目を増やすため、新たな種子の開発を進める。
垂直農業の市場は近年、急速に拡大している。背景には、土地開発を避け、収量改善に向かう事業者が多いため、都市でも生産できるというメリットもある。シンガポールも同様で、都市で新鮮な野菜を食べたいという需要が高まっている。
農業の未来については、リジェネラティブ農業と垂直農業が中心的な存在になってきた。リジェネラティブ農業は、自然と融和した農業を目指し環境破壊を避けるのに対し、垂直農業は生産場所を限定し徹底的に科学管理することで環境破壊を避けようという全く異なるアプローチ。気候変動等の環境変化が予測される中、外部環境の変化を受けにくい垂直農業に可能性を見出す企業は少なくない。
【参照ページ】Bayer and Temasek unveil innovative new company focused on developing breakthroughs in vertical farming
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