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【インド】世界の古着リサイクルの中心地で児童労働や劣悪労働のリスク。グローバル企業に対応要請

 オランダ人権NGOのArisaと6月26日、サーキュラーエコノミー型のビジネスモデルへの注目でアパレル業界の古着回収・リサイクルへの期待が高まる中、インドの衣類回収・リサイクル業界では児童労働や劣悪労働のリスクが高まっていると警鐘を鳴らすレポートを発表した。

 Arisaは、旧名が「オランダ・インド委員会」で、南アジアの人権問題への対処をミッションとしているオランダの人権NGO。今回のレポートでは、古着を回収しリサイクルをする産業が発達しているインドのハリヤナ州パーニパット市で調査を実施した。

 インドには、オランダからだけでも毎年古着が数百万kgも輸入され、その大半が首都デリーから90km北に位置するパーニパット市に集まってくる。古着として販売できない商品は、ボタンやラベルを取り外した後に、分別し裁断され、再度紡績されて糸になり販売される。パーニパット市には古着だけでなく、アパレル生産工程で発生した端材も集まってくる。一連の工程には、アグリゲーターや仲介者が大きな存在となっており、実際に作業は中小企業や自営業レベルの規模で実行されるヒエラルキー構造ができあがっている。

 パーニパット市でリサイクルされた糸の輸出先は、多い順に米国、ネパール、英国、オーストラリア、ドイツ。H&M、ウォルマート、プライマーク等もサーキュラーエコノミーを推進するために積極的にパーニパット市から糸を購入していることがわかった。

 しかし、同産業の末端の中小企業では、法定最低賃金以下の労働が横行していたり、児童労働の関与も確認されている。また、埃や有害化学物質にさらされ安全衛生リスクも高い。

 今回Arisaは、関連業界団体や企業に対し、パーニパット市からの繊維調達に関し、1次サプライヤーだけでなくサプライチェーン全体の把握を要請。その上で、OECD多国籍企業行動指針に基づく人権リスクマネジメントを要請した。また、人権リスクが発覚した際には、取引を停止にするのではなく、対話を通じて労働環境改善を促していくよう求めた。

 同レポートでは、企業に対する質問票も送付。ウォルマート、プライマーク、H&Mは回答し、状況確認のための情報収集やリスクマネジメントの強化を勧めると応じている。

【参照ページ】Complex chain of used Dutch textiles in India

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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