米メイン大学は8月5日、同大学が開発した浮体式洋上風力発電の実証プロジェクトで、独電力大手RWEの子会社RWEリニューアブルズと三菱商事子会社のDiamond Offshore Windとの合弁会社New England Aqua Ventus(NEAV)とパートナーシップを締結したと発表した。メイン州沿岸から22km沖に実験機を1基設置する。
今回のプロジェクトでは、NEAVが発電所の建設、所有、運転、保守までを担う。メイン大学はエンジニアリングの設計やR&D、建設後のモニタリングを担当する。NEAVは今回のプロジェクトに1億米ドルを投資する。
建設するのは、半潜水式のコンクリート製の土台を設け、設備容量10MWから12MWの風力発電タービンを乗せる。実証の目的は、浮体式の技術をさらに進化させ環境への影響を監視すること。洋上風力発電所と既存の漁業者らとの共存も模索する。まず漁業者や水産関係者に対し、今回の実証がどれほどの経済効果をもたらすかについて合意を形成することから着手する。
発電した電気はメイン州の系統に接続される。当局からの認可後、2023年の完工を予定している。漁業関係者や地域コミュニティとの協議を急ぐ。メイン大学は、同プロジェクトは1.5億米ドルの経済効果を生み、数百人の雇用も創出すると強調した。地域の大学にも参加を呼びかけ、大学生の理系分野への関心も高めたい考え。
メイン大学は、2008年から浮体式洋上風力発電の研究を開始し、エネルギー省の公募助成金も獲得し、地元建設会社のCianbroと2013年に小型実験機「VolturnUS」の建設に成功。さらにエネルギー省から追加で助成金を得た。メイン大学とCianbroは、本格的な洋上風力発電基の建設のため、パートナーを探しており、今回NEAVとの契約がまとまった。
【参照ページ】Diamond Offshore Wind, RWE Renewables join the University of Maine to lead development of Maine floating offshore wind demonstration project
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